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オリバー・コーポレーションのIPO、公開価格305円に決定も売却株はすべて既存株主のもの

オリバー・コーポレーションが東証上場の公開価格を上限の1株305円に決定、全株式は既存株主3者による売り出しで愛知の椅子メーカーに資金は入らない

2026年9月8日2分で読める
工場の床に積み重なったオフィスチェアと、少数の集中した保有先からより幅広い一般投資家へと株式の所有権が移る様子を示す抽象図、株式の売り出しを象徴する構図

愛知県岡崎市を拠点とする椅子・オフィス家具メーカーのオリバー・コーポレーションは9月8日、東京証券取引所への新規株式公開(IPO)における公開価格を1株305円に決定した。これは295円から305円という仮条件(ブックビルディング)レンジの上限にあたる。価格を確定したこの届出書は、8月13日の当初提出、8月31日の第1回訂正に続き、今回の公開に関する3回目の提出書類となる。調達資金はオリバー自身には一切入らない。売り出される株式はすべて、保有株を現金化する既存株主のものだ。

野村証券と大和証券が主幹事を務める引受シンジケートは、売出人から1株287.90円で株式を買い取り、一般投資家に305円で売り出すことに合意した。この17.10円の差額は、別途の手数料を徴収する代わりに引受手数料として受け取る。野村証券と大和証券がそれぞれ3505万300株を引き受け、残りは中小証券10社が分担し、シンジケート全体の引受株数は7410万800株となる。

売り出される株式は、既存株主3者によるものだ。Integral No. 4 Investment Limited Partnershipが4076万1400株、ケイマン諸島籍の2法人であるInitiative Delta IV L.P.が1777万7000株、Innovation Alpha IV L.P.が1556万2400株をそれぞれ売り出す。オーバーアロットメントでは、野村証券が同じ3者から借り入れた株式1111万5000株を追加で売り出し、10月14日までグリーンシューオプションによる買い戻しが可能となっている。これは同社にとっての資金調達ではなく、これら株主にとっての流動化にすぎない。

基本募集の7410万800株のうち、4940万2600株は国内投資家向け、2469万8200株は米国・カナダを除く欧州・アジアの投資家向けとされている。オリバーの引受証券会社によると、機関投資家からの需要は募集株式数を上回り、価格帯の上限に集中したという。これは通常、上限価格での決定に先立って見られる兆候だ。

オリバー・コーポレーションIPO:売出区分
数値はオリバー・コーポレーションが9月8日に提出した訂正有価証券届出書によるもの。オーバーアロットメント分は、野村証券が既存株主から借り入れた株式を用いて売り出すものであり、その代金は同社には入らない。
区分株式数売出金額
国内売出49,402,600¥15.07bn
海外売出(欧州・アジア、米国・カナダ除く)24,698,200¥7.53bn
オーバーアロットメント(野村証券主導)11,115,000¥3.39bn

オリバー自身の業績数値も、投資家にとっての魅力を裏付けている。売上高は2022年12月期の221億2000万円から直近期には350億円に伸び、経常損益はこの間に4億9300万円の損失から31億5000万円の黒字に転換した。株式の売買開始は9月16日で、申込期間は9月9日から14日までとなる。ブックビルディングの需要データは価格決定時点での関心を示すものであり、売買開始後の値動きについては何も語らない。