ケイマン諸島に拠点を置く資産運用会社オアシス・マネジメント(Oasis Management Company Ltd.)は、東京証券取引所上場のエス・エム・エス(証券コード2175)に対する保有比率を、前回の大量保有報告書の22.38%から24.65%に引き上げた。これは9月4日に関東財務局に提出された変更報告書によるものだ。今回の提出は、オアシスの保有目的が変化したことと、保有比率が1ポイント以上上昇し、日本の大量保有報告制度上の新たな開示義務が生じる基準を超えたことが理由だ。
同ファンドは、6月30日時点でエス・エム・エスの発行済株式8756万1600株のうち2158万1000株を保有している。報告書の提出者はオアシス単独であり、共同保有者の記載はない。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 現在の保有比率 | 24.65% |
| 前回報告時の比率 | 22.38% |
| 保有株式数 | 21,581,000 |
| 発行済株式数(2026年6月30日時点) | 87,561,600 |
| 取得資金総額 | 385億円(ファンドの資金として記録) |
| 市場外一括取得(2026年8月28日) | 1株2460円で160万7500株 |
| 報告義務発生日 | 2026年8月28日 |
| 提出日 | 2026年9月4日 |
この比率上昇の背景には、約8週間にわたるほぼ連日の買い増しがある。報告書によれば、6月30日から8月28日までのほぼすべての取引日に市場での買い付けが行われ、1日あたり約5万9000株から13万株の範囲だった。そして報告義務が発生したのと同じ8月28日に、1株2460円で160万7500株を取得する市場外の一括取引が1件あった。買い増しに用いた資金合計385億円は全額「ファンドの資金」として分類されており、これは報告書が自己資金や借入金と別に区分している項目であり、借入金の記載はない。
対話は現在進行中、提案は既に提出済み
オアシスは、事業ポートフォリオ戦略、AI・データの活用、価格戦略、取締役会構成について、エス・エム・エスとの対話を開始したと述べている。この4つのテーマが現在進行中の議題だ。
同じ目的の下で、報告書はオアシスがエス・エム・エスに対し、日本の法定「重要提案行為」に該当する項目についてすでに提案を行っていると記している。具体的には、重要な資産の処分または取得、代表取締役の選定・解職、特定人物の取締役への選任、取締役会の構成や任期の重要な変更、事業の一部譲渡または廃止、上場廃止、そして議決権が過半数を超えることとなる第三者による株式取得が含まれる。また別途、報告書はオアシスが今後12カ月にわたり同じ項目について提案を続ける計画であるとも記している。報告書はこれらの提案の具体的な内容までは開示しておらず、該当する法定区分のみを示している。
オアシスは、エス・エム・エスの取締役会の実効性を高め、コーポレートガバナンスを維持・改善し、企業価値を向上させ、顧客・取引先・従業員・融資者・株主を保護し、エス・エム・エスの全株主の利益のために株主還元を拡大することを目的としていると述べている。この目的は、取締役会の議席獲得要求から資産売却の要求、さらに開示された選択肢の中で最も踏み込んだものとしては上場廃止や第三者への支配権移転の要求まで、幅広くカバーできる範囲だ。エス・エム・エスの取締役会が実際にどの道筋に直面しているのか、またどのように対応するのかについては、本報告書では触れられていない。
