建設現場向け写真管理ソフトで知られる東京の記録DXプラットフォーム運営会社、LECREは、2026年9月8日、東証グロース市場への10月15日上場を控えて関東財務局に有価証券届出書を提出した。届出書では資金の性格が大きく異なる2つの部分に分かれており、一つは同社の資金となる小口の自己株式、もう一つは創業者への対価となるはるかに規模の大きい既存株式のブロックだ。
公募部分の規模は小さい。LECREは自己株式50万株を放出し、届出書上の想定価格は1株1,360円、推定調達額は6億8000万円となる。一方、創業者は別途、既存株式284万株を売却し、推定売却額は38億6000万円と、同社自身の調達額の6倍以上に達する。主幹事の野村証券は、需要状況に応じて最大50万1000株を追加でオーバーアロットメントにより供出できる。これは創業者の資産管理会社TAK社から借り入れる株式で、最大6億8140万円相当となる。
| 項目 | 株式数 | 推定価値 | 資金の受取先 |
|---|---|---|---|
| 自己株式処分(公募) | 500,000 | ¥680mn | LECRE(同社) |
| 創業者による売出し | 2,840,000 | ¥3.86bn | 同社の創業者 |
| オーバーアロットメント(グリーンシューオプション) | 最大50万1000株 | 最大6億8140万円 | 野村証券(借入株式による) |
これらの価格はいずれも確定していない。想定発行価格の範囲は9月28日に設定され、公募・引受価格は10月5日に確定し、取引は10月15日に開始する。TAK社をはじめとする内部株主やオプション保有者は、2027年4月12日まで主幹事証券の書面による同意なしに追加株式を売却しない旨に同意しているが、この合意はオーバーアロットメント売却のための株式貸し出しには適用されない。
想定価格に基づくと、LECREの自己株式処分による純調達額は発行費用400万円を除いた6億2160万円となる。オーバーアロットメントに伴う別途の自己株式割当による最大6億2690万円を合わせると、同社の調達額総額は上限12億5000万円となる。同社はこの資金を、プロダクトマネージャーやAIエンジニア、営業人員の採用に4億8200万円、自社の「RecAI」エンジンと新たに開始した車両保守クラウド「AITURBO」を含むAI・システム開発に2億8350万円、本社拡張に2億4900万円、販促活動に2億3400万円を投じる計画で、2029年9月期にかけて段階的に実行する。
この数字が上場のタイミングを説明している。売上高は2021年9月期の18億4000万円から2025年9月期には29億2000万円に増加し、経常利益はその間の2期の損失を経て、直近期には3億4170万円に達した。今回の上場は、創業家による支配の解消にも着手するものだ。創業者本人、その親族、およびTAK社は合計で発行済株式の88.8%を保有しており、今回の売却はこのグループの保有比率を支配株主の水準未満に引き下げることを目的としている。
