包装材・機能性フィルムメーカーの中本パックス(7811)は9月末、埼玉工場で電池材料の開拓に向けた新規コーターラインの稼働を開始した。同社は2026年5月に同機を導入し、研究開発ではなく量産を見据えた工程開発の位置付けを示すため、Process Development Coaterを略したPDコーターに名称を変更した。
新ラインの仕様と対象領域
PDコーターは、同社の小型マルチコーターと量産コーターの中間に位置する。幅100〜400ミリメートルの基材を毎分1〜20メートルの速度で処理し、間欠塗工に対応するほか、最高140℃で乾燥を行う。最小使用塗材量は2キログラムとなっている。
同社は最初の参入領域に2次電池を挙げ、全固体電池、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、および電池部材の機能性コーティングを対象とする。このほか半導体・電子材料、脱炭素材料、医療・ヘルスケア材料も挙げている。機能材受託加工の首位と、次世代バッテリー事業の売上高100億円達成を目標に掲げる。
目標と受注実績の隔たり
電池事業はまだ小規模にとどまる。決算説明会資料によると、上期の2次電池関連の売上高はスポット受注のみで、IT・工業材関連売上高に占める構成比は0.5%だった。一方、半導体関連は17.6%を占めた。資料には顧客認定や契約済みの電池受注に関する記載はなく、売上高100億円の目標にも達成時期は明記されていない。
中間期の業績
2027年2月期中間期の売上高は12.3%増の280億7000万円、営業利益は52.4%増の24億5000万円となり、ともに過去最高を更新した。IT・工業材関連の売上高は、スマートフォン用途や半導体関連の需要に支えられ、46億2000万円から52億3000万円に増加した。通期計画は9月14日開示の数値を据え置き、売上高550億円、営業利益38億7000万円を見込む。
同社は同日中に説明会資料7ページの売上高・営業利益増減要因のグラフを訂正し、誤りを陳謝した。上記の数値は訂正のないサマリーページの記載と一致している。
