学校アルバムや商業印刷を手掛けるマツモト(東証:7901)は、提出した四半期決算において、継続企業の前提に関する重要な不確実性を開示した。同社によると、現金及び預金は2026年7月までの3カ月間で3億6200万円減少し、2026年4月末の6億7670万円から3億1390万円となった一方、短期借入金は2億円で変わらなかった。手元資金(現金から借入金残高を差し引いたもの)は、前期末比で3億6090万円減少した。
この警告は、営業損益・経常損益がともに3期連続で損失となり、営業キャッシュフローも4期連続でマイナスとなったことを受けたものだ。2026年7月までの3カ月間の売上高は3億8000万円で前年同期比0.6%減少した一方、営業損失は1億3900万円から9600万円に縮小し、純損失も1億3600万円から1億円に縮小した。1株当たり損失は88円60銭で、前年同期の120円31銭から縮小した。
| 項目 | 2026年7月まで3カ月間 | 2025年7月まで3カ月間 |
|---|---|---|
| 売上高 | ¥380mn | ¥382mn |
| 営業損失 | ¥96mn | ¥139mn |
| 経常損失 | ¥99mn | ¥134mn |
| 純損失 | ¥100mn | ¥136mn |
| 1株当たり損失 | ¥88.60 | ¥120.31 |
同社の学校アルバム事業は年間売上高の約81%を占め、2月から3月の卒業シーズンに集中している。代金回収は主に春に発生する一方、支払いなどのコストは12月と1月に前倒しで発生するため、経営陣は通常、手元資金と銀行借入でこの時期のずれを乗り切っているとしている。営業キャッシュフローのマイナスと相まって、このタイミングのずれが、決算で指摘された1年間の資金調達に関する懸念を生じさせた。
これに対応するため、マツモトは、原材料費や運送費の上昇を吸収するために学校アルバムの価格を引き上げるほか、人件費を前年比で約4%削減し、「経営責任を明確化するため」代表取締役の報酬を40%削減するとしている。また、工場や事業所の統合を計画し、新規の資本支出を更新投資のみに限定する方針だ。同社は、これらの施策が現在も実行中であり、一部は関係者との最終的な合意に至っていないため、資金調達リスクを解消済みとせず、重要な不確実性として開示していると説明している。
この開示にもかかわらず、マツモトは通期予想を変更していない。売上高は21億8600万円(前期比2.8%増)、営業利益3200万円、経常利益1000万円、純利益4800万円(前期比68.8%減)、1株当たり利益42円91銭を見込む。同社は配当を実施しない方針だ。四半期末の純資産は9億1500万円で、9億9600万円から減少し、自己資本比率は44.0%だった。
決算資料では、貸し手の名称や改善計画の達成期限は明示されていない。7月31日の決算基準日時点で不確実性が存在すること、また財務諸表はその不確実性を反映した調整を行わずに継続企業の前提で作成されていることのみが記載されている。
