東京地方裁判所は、共同保有を隠していたとされる投資家グループの株式を希薄化させようとするSAAFホールディングスの措置を差し止めようとした株主の申し立てを退けた。これにより、東京証券取引所グロース市場に上場する同社は買収防衛策を進めることが可能になった。
SAAFホールディングスの取締役会は2026年8月3日、大規模買付行為への正式な対応として「第1回A種」新株予約権の無償割当てを承認した。取締役会は当時、19の株主・関係会社からなるグループが同社に対して共同で行動していたと説明していた。同グループの株主1名は2026年8月17日、新株予約権の効力発生を阻止すべく差止めの仮処分を申し立てた。
裁判所は2026年9月11日、この申し立てを却下した。SAAFホールディングスは9月14日にこの決定を開示し、当初の予定通り9月14日を基準日として同日中に新株予約権の割当てを実行する方針を示した。
SAAFホールディングスがまとめたところによると、裁判所の判断根拠は4点にわたる。第一に、新株予約権の割当ては同社の買収対応方針の要件を満たしていた。第二に、19名からなるグループは金融商品取引法上の共同保有者であることを隠しており、大量保有報告制度を回避することで、一般投資家および、誰が会社を支配しているかを知ることについての他の株主の共通の利益を害していた。第三に、こうした差別的な取扱いは必要かつ相当な範囲にとどまっており、会社法第109条第1項が定める株主平等原則には違反しないと裁判所は認定した。これらを踏まえ、裁判所は割当てが著しく不公正な方法によるものではないとも判断し、会社法第247条の類推適用に基づく差止め請求を退けた。
今回の決定により差止めをめぐる争いには決着がついたが、より広範な紛争が解決したわけではない。SAAFホールディングスは以前の開示で、割当てを臨時株主総会にも諮る計画についても言及していた。
