かどや製油(2612)が10月30日に提出した意見表明報告書の訂正報告書によると、ITG-Gホールディングスはかどや製油に対する株式公開買い付け(TOB)の期間を11月13日まで延長し、買付期間を30営業日から39営業日に変更した。買付価格は1株2514円で据え置き、買付予定数の下限も買付後の所有割合66.65%に相当する1384万7100株のまま変更はない。
今回の延長は、報告書中でC社と呼ぶ買収提案者から10月27日に提案を受けたと、かどや製油が10月28日に公表したことを受けた措置だ。公開買付者は公開買付届出書の訂正届出書の提出が必要となり、買付期間は提出日の10月29日から10営業日後にあたる日までとなった。これは対案であり、報告書には対抗TOBが開始されたとの記載はない。これまでの経緯はTokyo Briefの過去記事を参照。
C社の正体を巡る推察
かどや製油の10月28日付の発表ではC社の社名は明かされなかった。今回の訂正報告書の注記によると、公開買付者はC社をアドバンテッジパートナーズと推察している。ただし、これは公開買付者側の推察であり、開示された事実ではない。
訂正報告書には経緯も追記された。小澤氏は10月1日、かどや製油のファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券を通じてC社から打診を受け、10月6日に面談した。10月20日に再度面談し、C社をパートナーとする取引の提案を受けたが、自身のパートナーと既存のTOB成立を目指していることから同日中にこれを拒否し、公開買付者にもその旨を伝えた。また報告書によると、A社およびC社がTOB開始後にかどや製油へ法的拘束力のある提案を行うことは、公開買付契約上、何ら制限されない。
価格引き上げは条件付きのまま
訂正報告書は、条件付きの2つの枠組みについても改めて記載している。公開買付者が大株主との間で、TOBに応募せずかどや製油による自己株式取得に応じる旨の合意に達した場合、買付予定数の下限を引き下げた上で、TOB価格と自己株式取得価格を引き上げる想定だ。三菱商事は743万1000株(所有割合26.88%)、三井物産は605万8500株(同21.92%)を保有している。報告書によると、公開買付者は9月15日以降、三菱商事および三井物産と協議を続けているが、合意に至ったとの報告はない。
| ケース | 大株主の所有株式数 | 買付予定数の下限 | 買付価格 | 大株主からの自己株式取得価格 |
|---|---|---|---|---|
| 現在の買付条件 | 該当なし | 13,847,100 | ¥2,514 | 該当なし |
| 三菱商事と合意した場合 | 7,431,000 (26.88%) | 6,416,100 | ¥2,644 | ¥2,175 |
| 三井物産と合意した場合 | 6,058,500 (21.92%) | 7,788,600 | ¥2,620 | ¥2,156 |
公開買付者によると、法人税法上のみなし配当の扱いを踏まえ、各自己株式取得価格は、自己株式取得に応じた場合の税引後手取り額が、大株主が引き上げ後のTOB価格で応募した場合の税引後手取り額を上回らないように設定されている。このため、自己株式取得は公開買付価格の均一性規制に反しないとの見解だ。現時点で有効な買付価格は2514円のみとなっている。
今後の日程
買付期間の延長に伴い、今後の日程も後ろ倒しとなる。TOBの成立は11月中旬、最終的な株式併合は2027年2月上旬、自己株式取得は2027年3月上旬を見込む。
