東証プライム上場の医療機器グループ、日本ライフライン(7575)は、心房中隔穿刺関連製品を開発する米カリフォルニア州のCross Vascularの全株式を取得し、同時に増資も行う。取締役会が2026年9月29日に両方を決議した。
買収の対象
ソラナビーチに本社を置き、2020年4月に設立されたCross Vascularは、RFニードルとRFジェネレーターからなる心房中隔穿刺用の高周波システムを開発している。日本ライフラインは、この穿刺を不整脈アブレーションに必須の手技と位置づけている。日本ライフラインによると、製品はすでに米FDAの510(k)認証を取得しており、Cross Vascularは米特許商標庁が発行した4件の特許を含む米国の知的財産ポートフォリオを持つ。
財務内容は、事業が立ち上げ途上にあることを示している。Cross Vascularは2023年、2024年、2025年とも売上高を計上していない。純損失は2023年が58万5000ドル、2024年が7万7000ドル、2025年が2000ドル。2025年末の純資産はマイナス309万ドル、総資産は11万3000ドルだった。
買収価格とアーンアウト
取得価額は473万4000ドルで、日本ライフラインは1ドル=157円で換算して約7億4300万円としている。うち73万4000ドルが株主への支払額で、最大400万ドルがアーンアウト。アーンアウトの条件は開示資料に記載がない。アドバイザリー費用などで約2億3400万円が加わり、合計は概算で約9億7700万円となる。
売り手は明らかにされていない。開示資料によると、相手先の概要は先方の意向で非開示で、Cross Vascularの大株主も開示していない。日本ライフラインと売り手の間に、記載すべき資本関係、人的関係、取引関係はないとしている。
別建ての増資
2026年8月25日に設立された日本ライフラインの米国完全子会社JLL Med USAは、株式を取得するとともに、Cross Vascularの726万5000ドルの増資を引き受ける。目的は債務の支払いと事業運営資金としている。これによりCross Vascularの資本金は727万4000ドルとなり、資本金が親会社の10分の1以上となる特定子会社に該当する。開示資料は、増資を取得価額とは別に示している。
スケジュールと戦略
契約締結と株式譲渡の実行は、いずれも2026年9月30日の予定。日本ライフラインのCEOは、FDA認証取得済みの製品をグローバルポートフォリオに組み込み、米国事業を加速させるのが狙いで、米国での販売はJLL Med USAが担うと述べた。日本ライフラインは、国内のEP/アブレーション分野でリーディングポジションを確立しているとしている。
日本ライフラインは、業績への影響は軽微としている。開示資料にはCross Vascularの売上目標の記載はなく、同社は2023〜2025年の売上高を計上していない。
