新たなjGrants補助金の公募要領に添付された趣旨説明によると、北海道と九州の送配電事業者は、時間帯によっては太陽光と風力だけで電力需要の7割超を賄える水準に達している。これは脱炭素化にとっては朗報だが、系統運用にとっては頭の痛い問題でもある。両地域は日本の他地域に先駆けて再生可能エネルギーの導入を進めてきた一方、日照や風況が弱まった際の変動を吸収するため、事業者は数を減らしつつある火力発電所に頼らざるを得ない状況が続いている。
jGrantsポータルに掲載されたこの課題への日本の対応策が、仮称「系統用大型蓄電システム導入支援事業」という補助金プログラムだ。財源は補正予算の「再エネ拡大・系統用蓄電池導入支援補助金」である。公募要領は、日本のエネルギー転換を追う関係者にはおなじみの文脈でその目的を説明している。2050年のカーボンニュートラル達成と政府が掲げる2040年のエネルギーミックス目標を実現するには、系統によりいっそう多くの再エネ電力を取り込む必要があり、そのためには供給が需要を上回った際の余剰分をどこかに蓄える場所が必要になる、という論理だ。
公募要領自体が「再生可能エネルギーの余剰分の有効活用」と「脱炭素型調整力の確保」を喫緊の課題と位置づけている。再エネの発電が過剰なときに電力を吸収し、不足するときに放出できる系統用大型蓄電池こそ、この補助金が資金を投じようとしている手段である。
Tokyo Briefが確認した資料からは、個別の交付額の上限、事業費に対する補助率、対象となる業種やプロジェクトの種類、応募締め切りといった具体的な運用条件はまだ明らかになっていない。Tokyo Briefに提供された目的説明の文章は、制度の運用条件が明示される前の文中で途切れている。申請を検討する事業者やこの補助金を追う読者は、具体的な交付額や対象区分を想定する前に、jGrantsの公募要領全文を確認する必要がある。
