伊藤忠商事は9月11日、関東財務局に対し、取締役会が承認した3000億円の自社株買いについて、8月末時点で株式の取得実績がゼロだったと報告した。ただしこれはプログラムが停滞しているわけではなく、伊藤忠商事が買い付けを設計した方法からして、8月の数字がゼロになるのは当初から織り込み済みだった。
取締役会は2026年8月3日、総額3000億円、上限1億9000万株の自社株買いプログラムを承認し、取得期間は2027年1月29日までとした。伊藤忠商事は直ちに市場での買い付けを開始するのではなく、自社の普通株式を対象に1株当たり1813円、上限8273万5700株の公開買付け(TOB)を実施し、期間は2026年8月4日から9月1日までの20営業日とした。開示資料によれば、本項目における取得期間および取得した自己株式は契約日ベースで記録されているという。公開買付けは9月1日まで終了せず、応募株式の決済も9月28日まで開始されないため、8月の報告期間内には取得契約が成立した株式は存在せず、当月分・累計分ともに進捗率は0.00%となった。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 取締役会承認(2026年8月3日) | 上限1億9000万株/3000億円、2027年1月29日まで |
| 公開買付価格 | 1株当たり1813円 |
| 公開買付株数 | 上限8273万5700株 |
| 公開買付期間 | 2026年8月4日~9月1日(20営業日) |
| 公開買付決済開始日 | 2026年9月28日 |
| 2026年8月の自社株買い進捗 | 0.00%(取得株式数ゼロ、契約日ベース) |
| 市場買付予定(未達分) | 東証プライム市場、2026年9月2日~2027年1月29日 |
| 自己株式保有数(2026年8月31日時点) | 925,011,442株(受渡日ベース) |
| 発行済株式数(2026年8月31日時点) | 7,924,447,520株 |
公開買付けで埋まらなかった分については、伊藤忠商事は市場での買い付けを予定している。同社によれば、3000億円の承認枠のうち未達分は、当初の取得期間の残り期間である2026年9月2日から2027年1月29日にかけて、東京証券取引所プライム市場での通常の買い付けに充てるという。
新規取得分が計上される前の時点で、伊藤忠商事は2026年8月31日現在、発行済株式7,924,447,520株に対し、すでに925,011,442株の自己株式を保有していた。この数値は受渡日ベースで記載されており、上記の取得状況の数値で用いられた契約日ベースとは異なる基準である。開示資料は、応募のあった8273万5700株のうちいくつが最終的に成立したかは記載していない。決済は9月に行われるため、本報告の対象期間外となるためだ。次回の月次報告では、公開買付けが予定規模に近い形で成立したかどうか、また市場での買い付けが3000億円の上限に向けてどこまで進捗したかが明らかになるはずだ。
