アズワン(東証:7476)の元代表取締役が設立した不動産賃貸会社は、創業家出身の同社代表取締役とともに、今週、近畿財務局に対し、保有株式の一部を同社に売却することで合意したと届け出た。届出は金融商品取引法第27条の25第1項に基づく変更報告書(第62号)で、2026年9月9日に提出され、報告義務発生日は9月7日とされている。
理由は明快で、アズワンの自己株式公開買付けに応募する契約を締結したためだ。同賃貸会社は2026年8月7日に250万株を応募し、公開買付けは9月7日に成立、応募株式の決済は10月6日に開始される予定だ。
決済がまだ行われていないため、両届出者が保有する共同保有株式数は前回報告から変わらず、947万7564株、アズワンの発行済株式総数7501万2540株に対する12.63%となっている。賃貸会社自体は756万6292株(10.09%)を保有し、自らをアズワンの創業家出身と説明する同社代表取締役は、個人名義でさらに191万1272株(2.55%)を保有している。
| 保有者 | 株式数 | 保有比率 |
|---|---|---|
| 不動産賃貸会社(アズワンの元代表取締役が設立) | 7,566,292 | 10.09% |
| 同社代表取締役(個人、創業家出身) | 1,911,272 | 2.55% |
| 両届出者の合計保有 | 9,477,564 | 12.63% |
この保有株式は借入れによって支えられている。賃貸会社は自己資金20億700万円、りそな銀行からの借入18億400万円、私募債による調達6億円で資金を賄っており、これは数十年にわたる株式分割や過去の株式処分を経て積み上がった取得原価総額44億1100万円に対応する。別途の有価証券担保契約に基づき、同社は4行に対して株式を担保提供しており、りそな銀行に160万株、三菱UFJ銀行に48万株、三井住友銀行に80万株、みずほ銀行に210万株となっている。個人の共同届出者は借入れなしで自己資金1億1400万円としているが、届出書によれば同氏が保有する191万1272株の大半は現金による取得ではなく、数十年にわたる株式分割と、1999年から2013年にかけて親族から贈与された4万7500株によるものだ。
同氏には独自の取り決めもある。2026年7月1日から9月25日にかけて、みずほ証券との間で176万8600株を対象とする有価証券貸借契約を結んでいるほか、三井住友銀行に別途12万株を担保提供している。また2026年7月14日には、贈与として記録された市場外処分により6000株を手放している。
両届出者とも、保有目的は安定的な長期保有であるとしている。賃貸会社はアズワンの元代表取締役が設立した器であると位置づけており、創業家出身と名乗っているのは個人の届出者のみである。届出書には、応募した250万株が10月に実際に決済された後、両届出者がアズワンの株式をどの程度保有することになるかは記載されていない。数字の変動を確認するには、次回の変更報告書、あるいは決済日そのものを待つ必要がある。
