アシックスの取締役会は2026年9月9日、自己株式2000万株(自己株式を除く発行済株式総数の2.82%に相当)を上限に、総額700億円を上限として自社株買いを実施することを決議した。買付期間は2026年9月10日から2027年3月31日までで、東京証券取引所における市場買付の方法により実施する。両数値はいずれも決議上の上限であり、買付完了を確約するものではない。
同社(東証プライム市場、証券コード7936)は、2022年以降毎年過去最高の年間業績を記録してきたことに加え、8月に発表した通期業績予想の大幅な上方修正を受けての措置だとしている。経営陣は、株主還元の強化と資本効率の改善を目的として、現在の株価水準を踏まえた対応として自社株買いを位置付けたが、開示資料は今回の発表に対する市場の反応については言及していない。
| 実施内容 | 対象 | 規模/金額 | 日付・期間 |
|---|---|---|---|
| 自社株買い | 普通株式2000万株を上限(自己株式を除く発行済株式総数の2.82%) | 700億円を上限 | 2026年9月10日~2027年3月31日 |
| 自己株式の消却 | 普通株式2500万株(既存の自己株式2557万1333株(2026年6月30日時点)から充当) | 2500万株 | 2026年9月30日 |
これとは別に、アシックスは2026年9月30日付で、会社法の自己株式消却に関する規定に基づく別途の取締役会決議により、普通株式2500万株を消却する。今回の消却は同社が既に保有する自己株式を充当するもので、2026年6月30日時点の自己株式数は2557万1333株、自己株式を除く発行済株式総数は7億891万903株だったと報告している。同社は、今回の消却は将来の希薄化に対する懸念を払拭することを目的としたものであり、まだ実行されていない新たな自社株買いの決議とは別のものだと説明した。
この二つの措置は手続き上別個のものである。自社株買いは今後数カ月かけて新たな自己株式を生み出す一方、消却は既に保有する自己株式を減少させるものだ。アシックスの資本政策を注視する投資家は、700億円の上限に対する市場買付の進捗と、9月30日の消却が予定通り実施されるかどうかの両方を確認する必要がある。
