オフィス設置型の生鮮食品サブスクリプションサービス「OFFICE DE YASAI」を運営するKOMPEITOは、2026年9月11日に東京証券取引所グロース市場に上場し、上場に合わせて業績予想を公表した。数字は同社が赤字から黒字へ転換することを示しており、2026年8月期の売上高は98.7億円と前期の57.4億円から72%増加し、営業利益は8.8億円(前期は2.25億円の営業損失)、純利益は11.3億円(前期は1.61億円の純損失)を見込む。2026年5月までの9カ月間はすでに黒字化しており、売上高70.5億円、営業利益6.71億円だった。
| 期間 | 売上高 | 営業損益 | 純損益 |
|---|---|---|---|
| 2025年8月期(実績) | ¥5.74bn | -2.25億円 | -1.61億円 |
| 2026年5月までの9カ月間(実績) | ¥7.05bn | ¥671mn | ¥554mn |
| 2026年8月期(予想) | ¥9.87bn | ¥880mn | ¥1.13bn |
KOMPEITOは、この転換の主因を広告費・顧客獲得コストの売上高比率が20.3%から13.5%へ低下したことに求めており、契約者基盤の積み上がりによるものとしている。予想では、契約企業数は期末に7052社(前年比41.3%増)、年間経常収益(ARR)は96.4億円(同54.1%増)、顧客あたりの年間平均売上高は136万円(同8.8%増)、月次解約率は1.4%から1.2%へ低下すると見込む。この総額のうち、チルド商品の「OFFICE DE YASAI」ラインは51.2億円(売上高の51.8%)、冷凍ミールプランのラインは33.9億円(同34.3%)を稼ぐ見通しである。新規契約の多くは、法人顧客を紹介する地方銀行や信用金庫を通じて生まれており、提携金融機関数は1年間で73行から81行へ増加し、この経路が新規2907件の口座のうち約64%を供給すると見込まれている。同社はまた、政策面の追い風にも言及しており、企業が従業員に提供する食事補助の非課税上限が、2026年4月支給分から月額3500円から7500円へ引き上げられたことが需要を下支えするはずだとしている。
投資家への訴求点は、アセットライトな事業構造にある。KOMPEITOは製造を55社の提携企業に、ピッキング業務を7カ所の地域拠点に委託する一方、全47都道府県での案件創出を270社の提携販売会社に依存している。
利益予想には一時的な税務上の要因も寄与している。KOMPEITOの資本金が1億円以下にとどまっているため、中小法人向けの軽減法人税率の適用を受けられるうえ、繰越欠損金を全額活用できる。これらはいずれも今期限りの実効税負担の軽減要因である。同社は成長投資を優先し続けたいとして、配当計画はないとしている。
今回の上場は、KOMPEITOのベンチャー出資者にとって部分的な株式売却の機会ともなった。ベンチャー投資ファンドのJICベンチャー・グロース・ファンド1号は、8月12日時点で議決権株式10,495単位(104万9580株、議決権比率10.66%、第2位の株主)を保有していた。公募増資と、上場に伴う同ファンド自身の売り出し(セカンダリー)を経て、9月11日時点の保有は2,637単位(26万3780株、2.66%、第7位)まで減少した。同ファンドはまた、募集における追加売り出し(オーバーアロットメント)の対応のため、SBI証券に対して11万4100株を2026年10月15日まで貸し出している。KOMPEITOは、この株主構成の変化が同社の経営や業績に重大な影響を及ぼすものではないとしている。
