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1株820円のベインキャピタルによる買収、土壇場の株主誓約がマジョリティ・オブ・マイノリティの計算を一新

東京の買収対象企業株式の4.1%を保有する株主が土壇場で全株保有分の応募に同意し、マジョリティ・オブ・マイノリティ基準を固めた

2026年9月11日2分で読める
株主の持分が閾値ラインに向かって積み上がっていく様子を表す幾何学的ブロックの抽象イラスト。新しく追加された1つのブロックが小さな赤色のアクセントで強調されている。

ベインキャピタルの買収実体であるBCJ-110株式会社は9月11日、対象企業を非公開化するための1株820円の公開買付けに関する届出書を修正した。きっかけは新たな株主の誓約だった。前日、対象企業の80万株(発行済株式の4.06%、直近の半期報告書時点で第5位の大株主)を保有する株主が、保有株式の全てを応募し撤回しないことに同意したのだ。この誓約は9月2日の当初の届出書には記載されていなかった。

この一つの誓約が、本公開買付けにおける少数株主保護策の計算根拠を変えた。

マジョリティ・オブ・マイノリティ基準:修正前後の比較
BCJ-110株式会社による9月11日付の公開買付届出書修正における数値
指標修正前(9月2日届出)修正後(9月11日修正)
事前応募合意株式数1,678,854 (8.51%)2,478,854
非応募合意株式数(KAMの141万720株を含む合計)2,610,720261万720株(変更なし)
除外される譲渡制限付株式45,8484万5848株(変更なし)
残存する非関係株式数15,384,31814,584,318
非関係株式数の半数7,692,160 (39.01%)7,292,160 (36.98%)
マジョリティ・オブ・マイノリティ基準値(上回る必要あり)9,416,8629,816,862
買付者による買付予定数の下限条件10,535,800 (53.43%)1053万5800株(53.43%)、変更なし

新たな誓約が加わる前から、本公開買付けには対象企業の役員および元役員6名による167万8854株(8.51%)の応募合意(9月1日締結)に加え、KAMと称される主体との間で141万720株(7.15%)を対象とする別途の非応募(ロックアップ)契約が既に存在していた。このロックアップの下でKAMは、公開買付けに応募せず株式を保有し続けること、BCJ-110が書面で承認しない限り配当提案や株主提案に反対票を投じること、将来予定されているスクイーズアウトの一環として保有株式を対象企業に売り戻すことに合意している。KAMの保有株式は、閾値算定に用いられる261万720株の非応募プールの一部であり、提供された届出書の抜粋には同プール内の他の株主は記載されていない。

新たな株主の保有株式が加わったことで、事前応募合意の合計は247万8854株に増加した。日本の公開買付規制では、特別関係者による買付けの場合、買付者と既に足並みを揃えていない株主が保有する株式の過半数を上回る「マジョリティ・オブ・マイノリティ」基準をクリアする必要があり、BCJ-110はこの基準を再計算する必要に迫られた。拡大した事前応募分および非応募分のブロックに譲渡制限付株式を加えた分を対象企業の発行済株式総数から控除すると、非関係株式数は修正前の1538万4318株から1458万4318株に減少する。その半数に事前応募分と譲渡制限付株式分を加えると、新たな基準値は941万6862株から981万6862株に上昇する。BCJ-110の実際の買付予定数の下限(1053万5800株、対象企業の53.43%)は変更されておらず、再計算後の基準値も依然としてクリアしている。

ベインキャピタルは、現在応募契約または非応募契約を結んでいる株主との協議を2026年4月下旬に開始し、5月11日から5月15日にかけて契約案を送付した。今回の修正の対象となった株主に接触したのは6月下旬になってからで、合意が最終的にまとまったのはBCJ-110が訂正届出書を提出する前日の9月10日だった。9月1日に設定された1株820円の買付価格に変更はない。

今回の修正は株主契約および基準値の改定のみを対象としている。提供された届出書の抜粋には、公開買付けの応募期間の残り日数は記載されていない。