イビデン(4062)の2026年4〜9月期は、電子事業の売上高が前年同期比52.0%増の1725億円、営業利益が同96.7%増の500億円だった。半期報告書には、1510億円を投じる生産能力増強計画も記載された。同計画に関する既報については、Tokyo Briefの過去記事を参照されたい。
上期決算の主な内容
4〜9月期の連結売上高は前年同期の1955億円から34.3%増の2625億円となった。営業利益は84.6%増の601億円、親会社株主に帰属する中間純利益は74.8%増の386億円だった。
同社は電子事業について、生成AI用サーバーや汎用サーバー向けの高機能ICパッケージ基板の需要が総じて堅調に推移したと説明している。また、前年度に量産稼働を開始した大野工場の生産が安定して推移したほか、円安も寄与したとしている。
セラミック事業は電子事業に大きく引き離された2位だった。売上高は16.3%増の462億円、営業利益は40.4%増の54億円だった。このうち触媒担体保持・シール材(AFP)は、自動車販売台数の伸びで売上高は増加したものの、資材価格高騰の影響で営業減益となった。
生産能力増強計画
同社は岐阜県大垣市の工場棟(Cell6)やその他海外工場を中心に、約1510億円の設備投資を計画している。目的はAIサーバー向けを中心とした高機能ICパッケージ基板の生産能力増強としている。投資対象はCPU向け基板で、AIが学習型から推論型、さらにエージェントAIへと移行するにつれて需要が拡大すると見込んでいる。
この生産能力は計画段階のものであり、まだ稼働していない。同社によると、2029年度から段階的に稼働して量産を開始する計画で、今期の連結業績への影響は軽微としている。
キャッシュ・フローの注意点
営業キャッシュ・フローは1932億円と、前年同期の367億円から大幅に増加した。同社は主な要因として、前受金が減少から増加に転じたことや、税引前利益の増加を挙げている。前受金は上期に1188億円増加し、貸借対照表上の残高は1997億円に達した。これにより負債合計は3月末比で28.2%増加した。前受金は売上高でも利益でもない。半期報告書には、支払元や今後の収益認識方法についての記載はない。
上期の有形固定資産の取得による支出は483億円と、前年同期の596億円から減少した。9月末時点の建設仮勘定は1262億円、現金及び現金同等物は4177億円だった。
