公益財団法人北海道環境財団は、環境省の交付決定を受けて水素設備導入への補助金事業を実施しており、企業や自治体など対象となる応募者は、1件当たり最大3億円の補助を申請できる。応募受付は2026年6月22日に始まり10月30日午後6時に締め切られるが、財団は応募を一括審査せず、おおむね月単位で審査する。
補助金は2つの区分に分かれる。一つは、自治体の地域防災計画や協定などにより防災拠点に位置付けられている、またはこれから位置づけられる予定の施設に導入する、自立・分散型エネルギーシステム(蓄電池、水電解装置、水素貯蔵タンク、燃料電池、エネルギーマネジメントシステムなど)を対象とする。もう一つは、地域の水素サプライチェーンを支える産業用設備を対象とし、設置場所または同一都道府県内、あるいは財団が隣接地として認める場所で再生可能エネルギーから製造した水素を利用する水電解装置、貯蔵・充填設備、産業用燃料電池、水素ボイラー、発電機などが該当する。他の産業工程で生じる副生水素も、再エネ由来への転換計画があれば対象となり得る。
補助額は応募者の区分によって異なる。
| 応募者区分 | 補助率 |
|---|---|
| 政令指定都市以外の市町村、中小企業 | 3分の2 |
| 都道府県、政令指定都市、特別区、その他の民間企業 | 2分の1 |
付帯条件は具体的だ。自立・分散型区分では、補助対象の蓄電池や燃料電池から出力される電力を一般送配電事業者の送電線・配電線に供給することを禁じ、出力を応募者自身の施設内に限定するとともに、通常の系統電力が遮断された際には非常用電源として稼働し続けることを求める。機器支援区分では、補助対象の電力・熱について現地消費を原則としつつ、それ以外の用途を一律に禁じているわけではない。IP通信機能を持つ新規導入設備は、情報処理推進機構(IPA)による「JC-STAR」セキュリティ適合ラベル(★1以上)を取得しているか、事業完了までに取得することを確約しているか、あるいはJC-STARの認証対象外であるかのいずれかを満たさなければならない。補助対象システムに直接接続されない監視カメラなどの機器は、この確認の対象外となる。応募者は、IP接続機器の導入予定の有無を確認する事業単位のチェックリストを提出し、既にJC-STARラベルを取得している製品があればそのリストを添付することで、これを確認する。
このほかの除外規定が対象をさらに絞り込む。中古設備は補助対象外で、燃料電池自動車への水素供給のみを目的とする事業も対象外となる。車両は、他の用途と組み合わせる計画であっても原則として補助対象設備から除外される。応募者が年度ごとに別個の予算と実施計画を提出すれば、事業は2年度にわたることができる。2026年度分として交付される事業は2027年2月26日までに完了させる必要があり、2年目の事業には別途、交付決定を受けなければならない。
公募要領は、設備の設置場所そのものが北海道内である必要があるかどうかについては言及しておらず、日本国内であることのみを求めている。本事業を運営する財団は北海道に拠点を置くが、道外の事業の対象可否については、確認した資料では明記されていない。
応募は、政府の補助金電子申請システム「Jグランツ」を通じて行うか、もしくは中核となる5つの様式をまず添付した電子メールで行う。ただし地方公共団体は、このうち暴力団排除に関する誓約事項の提出を免除される。財団は、メールでの応募を受理した後、システム図やサイバーセキュリティに関するチェックリストなど追加の添付書類の提出方法をメール応募者に案内する。
