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ヘルスケアREIT、217億円で14物件取得 新投資口発行と銀行借入で資金調達

ヘルスケア&メディカル投資法人は88億円の新投資口発行と111億円の銀行借入により、14の高齢者向け住宅施設と東京の病院敷地を取得。ポートフォリオは国内上場REIT最大級のヘルスケア施設保有規模に迫り、当面の分配金見通しも変わる。

高齢者向け住宅の建物の隣に投資口証券と融資関連書類を配したイラストで、REITが自己資本と銀行借入によって物件取得の資金を調達する様子を表している。

ヘルスケア&メディカル投資法人は、高齢者向け住宅・病院関連施設に特化した東京証券取引所上場の不動産投資信託で、8月19日に合意した合計217億円の14物件取得を進めている。このうち12物件は9月1日に取得済みで、残る2物件は9月30日に取得完了予定だ。今回の取得により、実績ある国内介護事業者が運営する13の高齢者向け住宅施設に加え、東京都新宿区に所在する99床の病院の底地が加わる。

資金調達として、同投資法人は1口当たり9万5160円で新投資口9万2858口を発行する公募増資を実施し、9月1日払込で88億円を調達した。さらに4642口(4億2700万円相当)を9月29日払込予定の第三者割当に充てる。同投資法人はまた、9月1日分の取得資金を賄うため、8月28日に無担保の新規銀行借入80億円を実行した。内訳は、1カ月物円TIBOR+0.25%の50億円と同+0.35%の30億円のタームローンで、それぞれ2029年、2030年満期となる。9月30日分の取得に向けては、同様の条件で25億円のタームローンと6億円の短期借入枠が8月26日に組成されたが、この9月30日物件取得は開示時点ではまだ完了していなかった。

217億円の取得資金の調達内訳
すべての借入は無担保・無保証であり、TIBORは1カ月物円TIBORを指す。最初の2件は2026年8月28日に実行され、残る2件は9月30日取得分に向けて2026年8月26日に組成されたが、開示時点では未実行だった。
調達手段金額金利・価格満期・期日
公募増資(9万2858口)¥8.84bn1口9万5160円2026年9月1日払込
第三者割当(4642口)¥427mn1口9万1939円2026年9月29日払込予定
タームローン(8月28日実行)¥5.0bnTIBOR+0.25%2029年7月
タームローン(8月28日実行)¥3.0bnTIBOR+0.35%2030年7月
タームローン(8月26日組成、未実行)¥2.5bnTIBOR+0.35%2030年7月
短期借入(8月26日組成、未実行)¥0.6bnTIBOR+0.25%2027年9月

今回の取得に、老朽化した1物件の売却予定を合わせると、同投資法人の累計取得価格ベースの資産規模は866億円から約1065億円に拡大する。運用会社によれば、この基準で見ると国内上場REITの中でヘルスケア施設保有規模で最大になるという。これは、7月期末時点の貸借対照表上の総資産885億円とは異なる尺度であり、後者は取得価格ではなく減価償却後の簿価を反映したものであるため、両者を単純に比較することはできない。いずれにせよ、保有物件数は57物件から70物件に増加し、新たに取得する資産の築年数は平均14.1年と、既存物件の平均20.2年に比べて若い。運用会社は、これにより老朽物件を築浅物件に入れ替えることで、今後の資本的支出のタイミングを平準化できるとしている。

今回の取引は、投資主への分配のうち課税所得を超える部分の支払い方法の変更とも重なる。同じ8月19日付で、運用会社は利益ではなく減価償却費を原資とする「利益超過分配」の上限を、前期の減価償却費の20%から30%に引き上げた。これにより、新規取得物件で減価償却費が増加する中でも、分配金水準を維持しやすくなる。

この影響は業績予想にも表れている。2027年1月期は、当期純利益が前期比60%増の16億2500万円、1口当たり分配金は利益超過分配なしで3440円になる見通しで、東京都品川区の高齢者向け住宅の12月売却予定による一時的な売却益3億4400万円が寄与する。続く半期は当期純利益が26%減の12億400万円に落ち込む見込みだが、分配金はその売却益から積み立てた約5300万円の準備金と417円の利益超過分配分を活用し、3170円近辺に維持される見通しだ。直近の実績期である2026年7月期は、新規物件や今回の資金調達が反映される前の実績として、当期純利益10億1500万円、1口当たり分配金3174円だった。