GMOコマース(410A、東証グロース市場)は9月24日、取締役会において、同じGMOインターネットグループ傘下の兄弟会社であるGMOインターネット株式会社からGMO NIKKO株式会社とGMOインサイト株式会社の全株式を取得することを決議したと発表した。アドバイザリー費用約700万円を含む総額36億1000万円を投じ、店舗マーケティング専業から広告・メディア・データの3事業を担う体制へと転換する。取引は10月1日に完了する予定で、両社は同日付で連結子会社となる。
| 項目 | GMO NIKKO | GMOインサイト |
|---|---|---|
| 事業内容 | デジタルマーケティング、アドテクノロジー、ツール・ソリューション | メディア(michill)、ソーシャルゲーム、パートナーソリューション |
| 取得価額 | ¥2.1bn | ¥1.5bn |
| 2025年12月期 売上高 | ¥8.97bn | ¥1.63bn |
| 2025年12月期 営業利益 | ¥100mn | ¥260mn |
| 純資産 | ¥1.81bn | ¥549mn |
GMOコマースは今回の買収を「AI時代のマーケティングプラットフォーム」構築に向けた第一歩と位置付けている。検索結果がAIによる回答に置き換わり、購買判断がAIエージェントに移行することで、自社が直接得る一次顧客データの価値が高まると同社は主張する。同社は、GMOインターネットが2026年6月時点で抱える約1300万のインフラ事業顧客、GMO NIKKOの広告主基盤、GMOインサイトのメディア顧客という重なりの小さい3つの顧客層を相互に活用し、クロスセルにつなげられるとみている。
この買収は、同社が同日発表した業績予想の修正にも反映されている。GMO NIKKOとGMOインサイトの第4四半期業績を連結に取り込むことで、2026年12月期の売上高予想は33億6000万円から56億6000万円へと68.5%増加する。営業利益予想はのれん償却費の計上を反映し、8000万円増の7億4000万円とやや小幅な伸びにとどまる。経常利益は、買収資金の借入れに伴う支払利息を織り込み、7900万円増の7億3000万円となる見通しだ。親会社株主に帰属する当期純利益は、これらの費用を反映して1200万円増、率にして2.8%増の4億4000万円にとどまり、1株当たり利益は77円78銭から80円18銭に上昇する。GMOコマースは、この予想が株式譲渡の実際の完了や両社の連結後の業績動向に左右される可能性があると注意を促している。
同日付の開示では、GMOコマースの支配関係の変更も明らかになった。現在の親会社であるGMOインターネットグループ株式会社は、保有する66.02%の株式(議決権35,964個)の全てを、自社の子会社であるGMOインターネット株式会社に10月1日付で譲渡することを決議した。この異動により持株比率自体は変わらないものの、直接の親会社は交代する。資本金106億9000万円のGMOインターネット株式会社(東証:4784)は、譲渡が発効した後、GMOコマースの業績を連結する主体となる見込みだ。
株主にも今回の再編の恩恵がある。GMOコマースの配当方針は、連結利益の65%、または株主資本に対する8%のいずれか高い方を基準としており、業績予想の上方修正を受けて取締役会は期末配当予想を1株当たり50円56銭から52円12銭へ、1円56銭増額した。2025年12月期の配当実績は40円30銭だった。同社は、配当算定式自体に変更はなく、変わったのはその適用対象となる利益水準だけだと説明している。
