金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版

日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

記事

ボードルアの2970円MBO価格、比較対象の日本企業買収に比べプレミアムはごく一部

ボードルアはMBOに関する開示資料を修正し、2970円の買収価格が取引成立前終値に対してわずか3.81%のプレミアムに過ぎないことを示した。同社が価格の妥当性を裏付けるために引用した日本国内の比較対象115件の買収における中央値プレミアムは41.8%だった

2026年9月1日2分で読めるボードルア4413
円マークが並ぶ株価チャートの上に、短い買収プレミアムのバーと、それより高い業界平均プレミアムのバーを比較したイラスト

東京証券取引所プライム市場に上場するマーケティングテクノロジー企業ボードルア(証券コード4413)は、株主に経営陣による買収(MBO)への応募を推奨した8月19日付の開示を修正し、当初の開示に欠けていたプレミアムの算定根拠を追加した。9月1日付のこの修正により、1株2970円という買収価格自体は変更されていない。「必ずしも高いとは言えない」という曖昧な記載を、4つの具体的な数値に置き換えた。

取締役会が決議した8月18日の前営業日である8月17日を基準日とすると、ボードルアはこの買収価格が当日の終値2861円に対して3.81%のプレミアムに相当するとしている。1カ月間の終値平均2855円に対しては、プレミアムはさらに4.03%に縮小する。期間を3カ月に広げると、平均株価2683円に対してプレミアムは10.70%に上昇し、6カ月では平均2347円に対して26.54%に達する。

取締役会は、直近のプレミアムが薄い理由を2点挙げて正当化している。第一に、ボードルアの株価は過去3カ月間「一定の上昇傾向」を示しており、より長期の取引実績を反映する6カ月間のプレミアムは、前日終値のみに基づく数値よりも重視すべきだとしている。第二に、同社のPBR(株価純資産倍率)は基準日時点で10倍を超えており、取締役会は、株価が高く評価されている銘柄は将来の期待価値の多くが市場価格にすでに反映されているため、買収プレミアムが薄くなる傾向があると主張している。

この主張を裏付けるため、ボードルアは独自の比較対象を挙げている。それは、規制当局が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2026年8月18日までに完了した、日本の上場企業を対象とするMBOに関する115件の公開買付けである。これらの取引における平均プレミアムは、公表前終値に対して45.4%、1カ月平均に対して48.4%、3カ月平均に対して51.1%、6カ月平均に対して51.7%だった。中央値のプレミアムはこれよりやや低く、それぞれ41.8%、43.4%、46.1%、48.0%だった。

ボードルアのMBOプレミアムと日本の比較対象115件の買収との比較
比較対象データは、2019年6月28日以降に公表され、2026年8月18日までに完了した日本の上場企業を対象とするMBO公開買付けを対象とし、ボードルアの開示に基づく。
基準期間ボードルアのプレミアム比較対象平均比較対象中央値
前日終値(2026年8月17日)3.81%45.4%41.8%
1カ月平均4.03%48.4%43.4%
3カ月平均10.70%51.1%46.1%
6カ月平均26.54%51.7%48.0%

この基準に照らすと、ボードルアのプレミアムはすべての基準時点で平均・中央値のいずれよりも低く、最も直近の比較である同日終値ベースでその差が際立つ。同社が引用した比較対象の中央値41.8%に対し、同日プレミアムはわずか3.81%にとどまる。この修正によって2970円という買収価格や公開買付けの日程は変更されていない。修正が加えたのは、同社自身の数値に基づき、同社が引用した取引と比べてこのプレミアムがいかに薄いかを、より鮮明に示す情報である。

追加された記載は取締役会自身の意見表明部分の修正であり、独立したフェアネス・オピニオンではない。開示資料では、外部のファイナンシャルアドバイザーが価格の妥当性について同様の結論に達したかどうかは記載されていない。