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ベインの引き上げ後のカカクコム提案、KDDI合意なければ対抗提案に依然劣後

ベインキャピタルとLINEヤフーがカカクコム株式に対して引き上げた1株3,597円の公開買付価格は、対抗するKamgras 1の3,680円を依然下回る。カカクコムの取締役会・特別委員会がどちらの提案を支持するか判断する前に、価格を3,720円へ引き上げるKDDIとの非応募契約が締結されない限り、この構図は変わらない。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月17日2分で読めるカカクコム2371
企業の支配権を巡る節目付近で交差する、円マークが付いた2本の価格はしごを描き、カカクコム株式を巡る競合する公開買付けを表す抽象イラスト

価格比較サイトや飲食店レビューサイトを運営するカカクコムは9月17日、東京証券取引所に対し、ベインキャピタルとLINEヤフーが支援する同社株式の買収提案者が提案価格を再び引き上げたものの、対抗提案を上回るには至らなかったと開示した。

ベイン・キャピタル・プライベート・エクイティが助言するファンドが組成した有限責任組合であるBCPE Blitz Cayman, L.P.(LINEヤフーが間接出資を予定)は9月16日、カカクコムに対し、公開買付価格を1株3,597円に引き上げると通知した。9月10日時点の3,520円からの引き上げとなる。BCPE Blitzが電気通信事業者KDDIとの間で非応募契約を確保できれば、価格は従来の3,640円から3,720円に上がる。

それでもBCPE Blitzの価格は、今回の交渉の引き金となったKamgras 1の1株3,680円の提案を下回る。カカクコムの取締役会と特別委員会は、Kamgras 1が価格を3,680円に引き上げたことを受け、9月10日にベインとLINEヤフーに対し、これに並ぶか上回る意向があるかを書面で照会していた。両社の回答は、KDDI条件が満たされた場合に限りKamgras 1の価格を上回る。

カカクコム株式を巡る競合公開買付け
1株当たり価格は2026年9月17日開示時点のもの。BCPE Blitzの提案はまだ提案段階であり、公開買付けは開始されていない。
買収提案者提案価格KDDI非応募契約締結時の価格状況
BCPE Blitz(ベインキャピタル/LINEヤフー)¥3,597¥3,720提案中。開始には特別委員会の答申と取締役会決議が必要
Kamgras 1¥3,680該当なし取締役会が支持、応募判断は株主に委任、価格は3,680円に引き上げ

BCPE Blitzの公開買付けの実施に必要な規制上の許認可は、9月16日時点で全て完了している。ベインとLINEヤフーによれば、カカクコムの特別委員会が取締役会によるBCPE Blitz提案への賛同表明および株主への応募推奨が妥当であるとの答申を出し、取締役会がその答申を採用し次第、BCPE Blitzは速やかに公開買付けを開始するという。特別委員会の答申も取締役会決議も、現時点ではまだ行われていない。カカクコムの取締役会と特別委員会は、どちらの取引が企業価値と株主利益によりかなうか、また各提案が実際に成立し得るかを見極めるため、Kamgras 1とベイン・LINEヤフー連合の双方と誠実に交渉を続けるとしている。

カカクコムの取締役会は依然として正式にKamgras 1の提案を支持しつつ、応募するか否かの判断は個々の株主および新株予約権者に委ねており、この立場に変更はないとしている。同社は、今回の開示がBCPE Blitzの提案に対する意見表明ではないことを明言した。

2つの公開買付けは併存し得ないため、カカクコムの取締役は異例なほど明確な価格基準を伴う二者択一を迫られている。Kamgras 1による3,680円提案に至る経緯については、以下を参照。カカクコム買収提案者、公開買付価格を3,680円に引き上げ、期限を9月29日に延長。今後の焦点は、特別委員会が推奨を行う前に、ベインキャピタルとLINEヤフーがKDDIとの非応募契約を成立させられるかどうかだ。