価格比較サイトや飲食店レビューサイトを運営するカカクコムは9月17日、東京証券取引所に対し、ベインキャピタルとLINEヤフーが支援する同社株式への買収提案者が提案価格を再び引き上げたものの、対抗提案を完全に上回るには至らなかったと開示した。
ベインキャピタル・プライベート・エクイティが助言するファンドが組成した有限責任組合であり、LINEヤフーが間接出資する予定のBCPEブリッツ・ケイマン・エルピーは9月16日、カカクコムに対し、公開買付価格を1株あたり3597円に引き上げると伝えた。9月10日時点の3520円からの引き上げとなる。BCPEブリッツが通信会社であるKDDIとの非応募契約を締結できれば、価格は従来の3640円から3720円に上がる。
それでもBCPEブリッツの提案価格は、今回の交渉の引き金となったカムグラス1の1株あたり3680円の提案を下回ったままとなる。カカクコムの取締役会と特別委員会は、カムグラス1が提案価格を3680円に引き上げたことを受け、9月10日にベインとLINEヤフーに対し、この価格に並ぶか上回る意向があるかを書面で問い合わせた。両社の回答は、KDDIに関する条件が満たされた場合に限り、カムグラス1の価格を上回る。
| 買収提案者 | 提案価格 | KDDI非応募契約締結時の価格 | 状況 |
|---|---|---|---|
| BCPEブリッツ(ベインキャピタル/LINEヤフー) | ¥3,597 | ¥3,720 | 提案段階、公開買付けの開始には特別委員会の報告書提出と取締役会決議が必要 |
| カムグラス1 | ¥3,680 | 該当なし | 取締役会は提案を支持、応募判断は株主に委ねる、価格は3680円に引き上げ |
BCPEブリッツの公開買付けの実施に必要な規制当局の許認可は、9月16日時点ですべて完了している。ベインとLINEヤフーによれば、カカクコムの特別委員会がBCPEブリッツの提案を取締役会が支持し、株主に応募を推奨することが適切である旨の報告書を提出し、取締役会がその推奨を採択次第、BCPEブリッツは速やかに公開買付けを開始するという。特別委員会の報告書提出も取締役会決議も、現時点ではまだ行われていない。カカクコムの取締役会と特別委員会は、企業価値と株主利益によりかなうのはどちらの取引か、また各提案が実際に成立し得るかを見極めるため、カムグラス1とベイン・LINEヤフー連合の双方と誠実に交渉を続けるとしている。
カカクコムの取締役会は現時点でもカムグラス1の提案を正式に支持しつつ、応募するか否かの判断は個々の株主および新株予約権者に委ねるとの立場を維持しており、この方針に変更はないとしている。同社は、今回の開示がBCPEブリッツの提案に対する意見表明ではない点を明確にした。
二つの公開買付けは併存し得ないため、カカクコムの取締役は異例なほど明確な価格基準を伴う二者択一を迫られている。カムグラス1による3680円提案に至る経緯については、カカクコム買収提案者、公開買付価格を3680円に引き上げ、期限を9月29日に延長を参照。今後の焦点は、特別委員会が推奨を行う前に、ベインキャピタルとLINEヤフーがKDDIとの非応募契約を成立させられるかどうかである。
