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かどや製油の買収価格、三菱商事と三井物産の売却可否次第

インテグラル傘下の買収目的会社が、日本最大手のごま油メーカーであるかどや製油に対し1株2514円の公開買付けを開始したが、株主が最終的に受け取る対価は、合わせて株式の約半数を保有する三菱商事と三井物産が公開買付けに応じず別途の自社株買いを通じて売却に応じるかどうかに左右され、この仕組みにより価格は最大2760円まで上昇し得る

2026年9月15日3分で読めるかどや製油2612
ごま油の充填ラインと、変動する持株比率を示す棒グラフの壁掛けチャートを並べたイラストで、企業買収における条件付き価格設定の仕組みを表している。

東京の未公開株投資会社インテグラルは、傘下の買収目的会社ITG-Gホールディングスを通じて、かどや製油を1株2514円で非公開化する公開買付けを開始した。買付期間は9月15日から10月30日まで、成立には少なくとも1384万7100株の応募が必要で、これにより買収者は同社株式の過半をわずかに上回る50.09%を直接保有することになる。創業家の保有分は、家族が買収者と共同で株主権を行使することに合意しているため公開買付規制上の特別関係者として扱われ、これを合わせると合計保有比率は66.65%に達し、後に残存株主に対するスクイーズアウトを強行するために必要な3分の2の基準を上回る。

この基準価格は固定されたものではない。ITG-Gホールディングスは、かどや製油の大株主2社である三菱商事(発行済株式の26.88%を保有)と三井物産(同21.92%)とは別途交渉を進めており、両社の保有株を公開買付けの対象から完全に外し、代わりに自社株買いを通じてかどや製油に売り戻す形とすることを検討している。いずれか一方の商社が応じれば買付価格は上昇し、両社が応じればさらに上昇する。それに伴い、買付成立に必要な最低株式数も引き下げられる。

買付価格が上昇し得る仕組み
関東財務局に提出された2026年9月15日付の意見表明報告書および公開買付届出書に基づく数値。別途価格は、記載された非応募契約が買付期間中に締結された場合にのみ適用される。
シナリオ買付価格必要最低株式数結果としての保有比率
基本条件(追加合意なし)¥2,51413,847,10066.65%
三菱商事のみ合意¥2,6446,416,10066.65%
三井物産のみ合意¥2,6207,788,60066.65%
両社合意¥2,760357,60066.65%

この仕組みは、日本における自社株買いの税務上の取り扱いを前提として設計されている。自社株買いによる対価はみなし配当に該当し得るため、通常の売却とは異なる課税が適用される。ITG-Gホールディングスによれば、各自社株買いの価格は、三菱商事と三井物産の税引後手取り額が、より高い価格で公開買付けに応じた場合を上回らないよう設定されており、これは公開買付けにおいて全ての売却者を平等に扱うべきとする規制を満たすための設計だという。

かどや製油の創業家は、公開買付けに応じない3つの保有主体を持つ。株式の11.54%を保有する主要な資産管理会社、4.65%を保有する第二の資産管理会社、そして両資産管理会社の代表取締役を兼ね自らも0.32%を直接保有する創業家代表者である。主要な資産管理会社は、代わりに保有株のうち190万5127株を、買付価格を下回る1株2002円で自社株買いに応じて売却する。これも税引後の手取り額を合わせるための措置である。創業家の残りの保有分はそのまま維持され、予定されている株式併合、上場廃止、そして買収目的会社との最終的な合併を経て、創業家は存続会社の約4分の1を保有することになる見通しだ。

今回の取引は数カ月にわたる入札競争を経て成立した。かどや製油の特別委員会は12月から9月にかけて計42回、合計約76時間の会合を開き、インテグラルの提案を、名前を公表していない3社の対抗入札者と比較検討した。このうち1社はインテグラルの上限価格である2760円を下回る拘束力のある提案を提出している。残る2社についても、公開買付期間の締め切り前に、それぞれ拘束力のある提案を改めて提示する可能性がある。みずほ証券は、かどや製油株式の価値を市場株価法で1713円から2384円、ディスカウンテッド・キャッシュフロー法で2203円から3970円と算定しており、今回の基準となる買付価格はその範囲の下限寄りに設定されている。