東証グロース市場上場の衛星レーダー運用会社Synspectiveは2026年9月17日、衛星の製造・打ち上げ費用に充てるため、総額200億円のシンジケートローン(タームローン)を取締役会で承認したと発表した。みずほ銀行がアレンジャー兼エージェントを務め、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、商工中金、三井住友信託銀行、りそな銀行、あおぞら銀行、および静岡銀行、千葉銀行、伊予銀行、紀陽銀行、広島銀行、西日本シティ銀行の地方銀行6行を含む13行の融資団を組成する。同融資は無担保で、契約は9月18日に締結予定、実行(ドローダウン)は9月30日を予定しており、期間は5年3カ月となる。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 融資枠 | 200億円のコミットメント期間付きタームローン |
| 資金使途 | 衛星の製造・打ち上げ費用 |
| 契約締結日(予定) | 2026年9月18日 |
| 実行日(予定) | 2026年9月30日 |
| 期間 | 5年3カ月 |
| 担保 | 無担保 |
| アレンジャー兼エージェント | みずほ銀行 |
| 融資団 | みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、商工中金、三井住友信託銀行、りそな銀行、あおぞら銀行、および地方銀行6行を含む13行 |
| 純資産維持条項 | 各事業年度末に連結純資産をプラスに維持すること |
| 流動性維持条項 | 各四半期末に、現金・預金に将来の確定収益を加えた額から有利子負債を差し引いた金額がゼロを下回らないこと |
| 借入関連費用 | 2026年9月30日に営業外費用として7億1000万円を計上する見込み |
Synspectiveによると、今回の融資承認は、防衛省の衛星コンステレーション開発・運用プログラムを含む事業拡大と、その拡大によって将来生み出されると見込まれるキャッシュフローを反映したものだという。これは融資団が応じた理由について同社が説明したものであり、開示資料は防衛関連事業そのものの金額を示していない。
二つの財務制限条項、異なる測定サイクル
今回の融資には、契約締結時だけでなく、融資期間全体を通じて適用される財務制限条項が付されている。各事業年度末には、Synspectiveの連結純資産をゼロ超(1円以上)に維持することが求められる。各四半期末には別途、流動性に関する条項も適用され、現金・預金に将来の確定収益を加えた額から有利子負債総額を差し引いた金額がゼロを下回ってはならない。この二つの条項により、融資団は衛星機器の製造や打ち上げに資金を投じる同社の財務状況を、年1回と四半期ごとにそれぞれ継続的に確認できる仕組みとなっている。
今回の融資組成には、当初想定を上回るコストが既に発生している。Synspectiveは9月30日、借入関連費用として7億1000万円を営業外費用として計上する見込みだ。同社によると、国内の主要金融機関に融資団へ参加してもらったことで、当初想定を超えて融資枠を最大化できた一方、それに伴いコストが増加したという。また、金利も当初の想定を上回って上昇したとしている。これらを差し引いた結果、Synspectiveは今回の融資に関連する総コストが、当初の社内想定を約1億8700万円上回る見通しだとしており、この金額は2026年12月期通期予想に一部しか織り込まれていないとしている。同社は、状況の変化に応じて必要な場合は正式に業績予想を修正すると述べた。
9月17日の開示時点で、取引はなお進行中だった。融資契約自体は翌日に締結予定であり、資金移動は9月30日まで発生しない見通しだった。融資団による融資の確約は、衛星メーカーがすでに200億円を手元に確保していることとは異なる。
