クオンタムソリューションズ(東証:2338)は、高密度GPUサーバーおよび関連機器の第一弾として、6098万5056米ドル(開示された為替レートで約95.1億円相当)の購入契約を締結した。取締役会は9月1日に本件に向けた協議を承認し、直前の交渉で支払条件が変更されたことを受け、修正後の最終条件のもとで再承認したうえで9月7日に契約を締結した。
同機器は契約締結時点で入手可能な最新世代の高密度GPUプラットフォームとされ、大阪府内のデータセンターに導入される予定で、クラウド事業者をはじめとするAI計算需要の大きい顧客向けに、大規模AIモデルの学習、生成AI推論、高性能コンピューティング(HPC)の各用途を支える。同社はこれをAIインフラ・AIデータセンター事業の第一段階と位置付けており、計画・容量確保の段階から実際の調達・設置の段階へと移行するものだとしている。
資金は一部しか確保されていない。クオンタムソリューションズは自己資金から830万米ドル(約13億円)を支払う。残りの5268万5056米ドル(約82.2億円)は、主要株主からの株主ローンと、GPU計算能力に関する長期顧客契約に紐づく前受金でまかなう予定だが、同社はその調達額と条件はまだ確定していないとしている。
| 項目 | 米ドル金額 | 円換算額 | 資金調達状況 |
|---|---|---|---|
| 契約総額 | $60,985,056 | ¥9.51bn | 2026年9月7日締結 |
| 初回支払い | $8,300,000 | ¥1.3bn | 自己資金で対応 |
| 残額 | $52,685,056 | ¥8.22bn | 株主ローンと顧客前受金を予定、金額・条件は未定 |
取引先の名称は非公表とされている。クオンタムソリューションズは相手方について、AIインフラ製品の販売・構築・サポートを手掛ける関東地方の単独企業とのみ説明しており、資本関係、人的関係、関連当事者としてのつながりはないとしている。契約上、取引先の名称、製品仕様、数量、単価、支払条件、データセンターの詳細情報の開示は禁じられている。日本の取引所や規制当局がこうした非公開情報の開示を求め、匿名化での代替が認められない場合、取引先は契約を即時解除できるとされており、この条項により、契約の存続は開示ルールがどこまで許容されるかにかかっている。
契約締結後も、デューデリジェンスは引き続き進められている。クオンタムソリューションズは2025年8月4日付の取引先に関する帝国データバンクの信用調査報告書を確認したうえで、2026年8月27日に最新の調査を依頼しており、更新版の報告書は9月10日頃に届く見込みだ。この信用・コンプライアンス調査の完了は、同社の支払義務の前提条件となっており、調査の結果、同社が容認できない事実が判明した場合には、支払いの停止や契約の解除が可能だとしている。取引先はクオンタムソリューションズに対し、現時点でサーバーの在庫を保有しており供給可能であると伝えており、過去のサーバー調達実績を示す記録も提示し、同社はこれを確認済みだとしている。
クオンタムソリューションズによると、2027年2月期の連結業績への影響については、納入時期、機器の稼働開始時期、減価償却、資金調達条件、顧客との商業条件次第であり、現在も精査中だとしている。また、信用・コンプライアンス調査やGPUの供給状況、物流事情によっては、契約が解除されたり、納入が遅延したり、機器が予定通りに稼働開始できない可能性もあるとしている。今回の初回発注に加え、同社は顧客需要、処理能力、資金調達、収益性を踏まえて追加のGPU購入やデータセンター用地の検討を行うとしているが、本契約を超える事項は何も決定していない。
