本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

記事

売れるネット広告社グループ、8億3000万円の一過性費用で純損失11億円に下方修正

東証グロース市場のマーケティング会社は、約8億3000万円の一過性費用・損失と中国ライブコマース事業の立ち上げ遅延を受け、純利益200万円の予想を純損失11億円に修正、来期の回復計画は新規買収先への依存度が高い

2026年9月7日2分で読める売れるネット広告社グループ9235
棒グラフ型の彫刻が一方は崩れ落ち、もう一方は上昇していく様子を描いたイラストで、企業の赤字転落とその後の回復予想を象徴している。

東証グロース市場に上場するマーケティング会社、売れるネット広告社グループ(9235)は、2026年7月期の業績見通しを、純利益200万円の予想から純損失11億円へと下方修正した。売上高予想は18億8000万円から16億4000万円へと12.8%減額され、営業損益は営業利益1400万円の予想から営業損失5億3000万円へと転落する見通しとなった。

同社は業績未達の要因について、単発の減損ではなく自社の成長戦略における遅れにあると説明している。既存のマーケティング・メディア事業は、取引先の広告予算縮小により目標未達となったほか、顧客獲得アルゴリズムの変更がOrxに打撃を与え、中国でのTikTokライブコマース事業の立ち上げが翌年度以降にずれ込んだ結果、回収不能な前払金に対して約1億3000万円の貸倒引当金を計上せざるを得なくなった。暗号資産回収事業を手掛けるBitcoin Saviorも、期末までに案件を成立させ成功報酬を計上することができなかった。

営業損益の未達に加え、売れるネット広告社グループは約8億3000万円の一過性費用を計上した。このうち約2億9000万円は販売費及び一般管理費に計上され、M&A関連費用、貸倒引当金、Orxにおける棚卸資産評価損が含まれる。さらに5億4000万円が特別損失として計上され、社内ソフトウェアやオフィス内装設備の減損、中国越境ECの買収に伴うのれんの減損、非上場株式3銘柄の評価損が反映されている。

業績見通し修正の概要
売れるネット広告社グループの2026年9月7日付TDnet開示資料に基づく数値。
指標従来予想修正予想来期見通し
売上高¥1,880mn¥1,640mn¥5,004mn
営業利益(損失)利益1400万円損失5億3000万円利益2億200万円
純利益(純損失)利益200万円損失11億円利益1億3000万円

2027年7月期については、同社の見通しでは売上高50億400万円と、修正後の今期予想の3倍超を見込み、営業利益2億200万円、純利益1億3000万円を計画している。このうち、新たに連結対象となる買収先が売上高32億8000万円、営業利益3億300万円を供給すると見込まれており、既存事業から見込まれる売上高17億2400万円、営業利益2億9400万円を上回る規模となる。この回復は売れるネット広告社グループ自身の予想であり、確実な業績回復というよりも、最近の買収案件の統合の成否にかかっている。