大阪に本社を置き東京証券取引所プライム市場に上場する産業機器・電子部品商社の立花エレテックは、取締役会が2026年9月7日、長年の安定配当方針を撤廃し累進配当方針へ転換することを決定したと発表した。第一歩として、2027年3月期の年間配当は120円とし、過去3年間据え置いていた1株当たり100円から20円増配する。
同社自身の数値がタイミングを裏付ける。株価純資産倍率(PBR)は依然として1倍を下回るものの、3月末の0.60倍から2026年8月末には0.81倍まで改善し、株価収益率(PER)も同期間に8.67倍から12.72倍へ上昇した。
| 日付 | 株価純資産倍率(PBR) | 株価収益率(PER) |
|---|---|---|
| 2026年3月末 | 0.60x | 8.67x |
| 2026年8月末 | 0.81x | 12.72x |
立花エレテックは、株価の割安が続く要因として、2024年3月期のピークから利益が完全には回復していないこと、売買流動性の薄さ、そして企業間取引(B2B)市場における知名度の低さの3点を挙げている。
流動性は2つ目のてこ入れ策だ。1日当たりの平均売買代金は2026年3月期でわずか9700万円、2026年4月から8月までは1億4100万円にとどまっており、同社は取引量を高めるため他社との持ち合い株式を段階的に売却する方針を示している。2026年3月期までの3年間で、すでに自社株300万株を買い戻し済みだ。
今回の配当方針転換は、同社が「GIC30」と呼ぶ5カ年計画に位置づけられる。計画は2027年3月期から2031年3月期までを対象とし、最終年度には連結売上高3000億円超、営業利益120億円超、営業利益率4%超を目指すほか、海外売上高比率を全体の30%まで高めることを目標としている。立花エレテックは、計画3年目に進捗を検証し、状況の変化に応じて戦略投資や資本政策を見直すとしている。
同社によれば、株価は2025年3月末の2403円から2026年8月末には4050円まで上昇済みで、この上昇は業績改善と8月の増益修正によるものだとしている。それでもなお経営陣は、前述のPBRおよびPERの水準からみて株価は依然として割安だと主張しており、まさにそれゆえに、株価上昇そのものよりも配当や流動性の改善策の方が重要だとしている。
