サントリーホールディングスは、今週まで3月の発行登録書で空欄のままとなっていた社債の条件を確定させた。2026年9月7日に近畿財務局へ提出された発行登録訂正書は、利払繰延条項と早期償還条項に加え劣後特約を備えた総額100億円の第6回無担保社債の構造を明記している。この訂正は、当初の3月24日付届出書で「未定」とされていた条件を埋めるとともに、サントリーの借換え方針に関する新たな開示項目を追加するものだ。
この社債は通常の社債というより、銀行が自己資本を強化するために用いるハイブリッド資本性証券に近い性格を持つ。償還期限は2061年で発行から約35年の期間があり、クーポンは2031年から変動金利に移行し、1年物日本国債利回りに連動する。このクーポンは2036年から当初のベンチマークスプレッドに0.25パーセントポイントを上乗せし、2051年からは(2036年時点の水準にさらに上乗せするのではなく)当初のベンチマークスプレッドに1.00パーセントポイントを上乗せするが、金利がゼロを下回ることはない。サントリーは2031年以降、社債を早期償還できるほか、日本の税制が不利に変わった場合や格付機関が当該社債の資本性評価を引き下げた場合には、それより早く償還することも可能だ。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行総額 | 総額100億円(額面1億円×100本) |
| 償還期限 | 2061年(発行から約35年) |
| 初回繰上償還日 | 2031年(社債権者への通知は30~60営業日前) |
| クーポン構造 | 当初は固定金利(水準は未定)、2031年以降は1年物日本国債利回りに連動する変動金利 |
| クーポンの上乗せ(ステップアップ) | 2036年から当初スプレッドに0.25パーセントポイント上乗せ、2051年からは(2036年の上乗せとは累積しない)当初スプレッドに1.00パーセントポイント上乗せ |
| クーポンの下限 | 0%(マイナス金利にはならない) |
| 予定格付け | JCR A+(シングルAプラス)、正式付与前 |
| 引受人候補 | みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券 |
この社債を普通社債と一線を画すものにしているのが、サントリーの利払繰延権だ。同社は自らの裁量により、12営業日前の通知をもって利払いの全部または一部を延期でき、これは債務不履行とはみなされない。延期された利息は当該社債自体の利率で発生し続ける。その上でサントリーは、この社債に劣後する種類の株式について配当を決議もしくは支払う場合、または当該株式を買い戻す場合、あるいは将来の優先株式やその他の同順位の劣後債など当該社債と同順位の証券について支払いを行う場合には、次回の支払期日に延期分を支払うよう合理的な商業上の努力を尽くさなければならないが、これは無条件の保証ではない。清算、破産、再生、民事再生の各手続きにおいて、社債権者の請求権は明示的に劣後する扱いとなり、すべての優先債権者に劣後し、それらの債務が全額弁済された後に初めて弁済を受ける。この社債には担保も保証もなく、社債管理者も設置されておらず、社債権者は自らの利益を自ら守る必要がある。
サントリーは日本格付研究所(JCR)から本社債にA+格付けが付与されると見込んでいるが、届出書は当該格付けがまだ付与されていないことを明記している。みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券が引受人候補として名を連ね、みずほ銀行が財務代理人を務める。新たに追加された開示項目によれば、サントリーは、既にバランスシートが強化されている場合や買戻し規模が小さい場合などの条件に該当しない限り、満期前に償還または買い戻した場合にはJCRおよびS&Pグローバル・レーティング・ジャパンから同等の資本性評価を得られる証券に本社債を置き換える意向だという。届出書は、この借換え方針が法的または契約上の義務を一切生じさせないことを明確に述べている。
複数の条件は依然として未確定のままだ。2026年から2031年までの当初固定クーポン、申込期間、払込期日はいずれも「未定」とされており、サントリーは「需要動向を勘案のうえ」条件決定時に設定するとしている。第6回債は、2028年3月まで最大3000億円の発行が可能で、うち2700億円が発行余力として残るより大きな発行登録枠を利用するものだ。
