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奥村組、第1回ソーシャルボンドで下請け60日手形の廃止資金を調達

奥村組、下請け企業への60日手形払いを廃止し全額現金払いへ 第1回ソーシャルボンドで資金調達、JCRはフレームワークに最上位のSocial 1(F)を付与

2026年9月7日2分で読める奥村組1833
建設現場での支払いのやり取りを描いたイラストで、現場監督が60日手形の代わりに現金の入った封筒を受け取っており、背景には鉄筋とクレーンが見える。

大阪の総合建設会社である奥村組は、今月発表した支払い改革――下請け企業への60日手形払いを廃止し、全額現金払いに切り替える施策――の資金調達方法を、規制当局に具体的に開示した。

奥村組は2026年9月7日、関東財務局に提出した訂正有価証券届出書で、発行予定の第1回無担保社債(社債間パリパス条項付き、ソーシャルボンド)について、これまで空欄だった条件を明らかにした。各社債の額面は1億円、発行価格は額面100円につき100円(パー発行)とし、引受人には大和証券、野村証券、SMBC日興証券が予定されている。調達総額は依然として未定であり、今回の届出は2026年3月に提出済みの発行登録(発行予定額の上限500億円、2028年3月まで有効)を訂正するものにとどまる。

奥村組が計画する第1回ソーシャルボンド
2026年9月7日提出の訂正届出書における条件。発行総額は未定。
項目内容
社債名称奥村組第1回無担保社債(社債間パリパス条項付き、ソーシャルボンド)
発行総額未定
各社債の額面金額1億円、パー発行
引受人大和証券、野村証券、SMBC日興証券
ソーシャルファイナンス・フレームワーク策定2026年9月
JCRによるフレームワーク評価最上位のSocial 1(F)
外部評価への支援東京都SDGs金融推進補助金
関連する発行登録の上限発行予定額上限500億円、2026年3月提出、2028年3月まで有効

調達資金の使途は一つに限られる。建設業法は下請け企業への支払いについて最長60日の手形払いを認めているが、奥村組は資材・機材コストの上昇に加え、建設技能労働者の不足が迫っていることから、手形を受け取る企業にとってこの慣行はもはや持続可能ではなくなっていると説明する。同社は債務引受方式による決済分を含む60日手形をすべての下請け企業について廃止し、代わりに全額を現金で支払う。社債による調達資金は、この変更に伴い必要となる追加の運転資金にすべて充当され、一般事業目的には使われない。

奥村組はこの社債の発行を支えるため、2026年9月にソーシャルファイナンス・フレームワークを策定し、2025年版ソーシャルボンド原則、日本の2021年ソーシャルボンドガイドライン、2025年版ソーシャルローン原則に整合させた。日本格付研究所(JCR)は同フレームワークに最上位評価のSocial 1(F)を付与し、JCRによる外部評価自体、2027年3月期における東京都のソーシャルファイナンス推進補助金の支援を受けている。

社債発行後、奥村組は毎年、調達資金の充当実績、未充当残高とその使用時期の見通し、新規支出ではなく借換えに充てた割合について報告することを約束している。インパクト面では、現金払いの実施率と対象となった下請け企業数を開示し、社債保有者が支払い改革が本来支援すべき建設会社に実際に届いているかを確認できるようにする。