日本精機(7287)は、オランダ子会社の日本精機(ヨーロッパ)B.V.が、ポーランド・グダニスクで運営する自動車向け組込みソフトウェア開発事業を、ベトナムのFPTグループが2026年7月22日にポーランドに設立したFPT Poland Sp. z o.o.に売却する契約を2026年9月1日に締結したと発表した。譲渡は2026年10月2日に完了する予定だ。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 譲渡企業 | Nippon Seiki (Europe) B.V. (Netherlands) |
| 譲受企業 | FPT Poland Sp. z o.o. (Gdansk, Poland) |
| 譲渡対象事業 | 自動車向け組込みソフトウェア開発 |
| 対象従業員数 | 約50人 |
| 譲渡価格 | 機密保持契約により非開示 |
| 契約締結日 | September 1, 2026 |
| 譲渡完了予定日 | October 2, 2026 |
この事業とともに、従業員約50人が移籍する。日本精機は、FPTとの機密保持契約を理由に、売却価格や当該事業の収益・資産については開示していない。
FPT Polandの株主構成は東京にまで直接つながっている。新会社の99.9975%をFPT Japan Holdings Co., Ltd.が保有し、残る0.0025%をFPT Software Japan Co., Ltd.が保有する。登録資本金は400万ポーランドズロチ。FPTグループは複数の地域で既に日本精機とソフトウェア開発業務を行っており、日本精機は譲渡後もFPT Polandから組込みソフトウェアサービスを継続して購入する方針だとしている。
日本精機は、2025年3月期から2027年3月期にかけて推進している中期経営計画のもとで、ヘッドアップディスプレイ事業の成長と収益性向上を優先する「選択と集中」の一環として今回の売却を位置付けた。グダニスクの事業は、自動車・二輪車向けの計器(インストルメントクラスター)の販売・設計も手掛ける欧州子会社の傘下にあったが、同社はこの事業がその方針に合わなくなったと説明した。これを手放すことで、欧州における経営資源の最適化と業務の効率化につながるとしている。
日本精機は、今回の売却による業績への影響は軽微だとしている。開示自体は自主的なものであり、同社は今回の件が東京証券取引所の適時開示義務基準に該当しないとしつつ、有用な情報と判断して開示したとし、その結果一部項目を省略していると説明した。
日本の製造業が欧州における技術拠点をどのように再編しているかを追う読者にとって、今回の動きは小さいながらも分かりやすい事例だ。東京の上場サプライヤーが、社内のソフトウェアチームを自ら運営する代わりに、ベトナムのITグループが新たに設立したポーランド法人に引き渡し、今後も同じ業務を外部委託サービスとして継続利用する形をとっている。
