伊藤忠商事による自社株式の公開買付けは、応募超過で終了した。買付予定数82,735,700株に対し、投資家からの応募は83,403,785株に上り、同社は按分比例方式で買付けを行った結果、82,735,750株を1株1,813円で取得することとなった。買付期間は8月4日から9月1日までの20営業日間で、大和証券が買付代理人を務め、決済は9月28日から開始される予定だ。
今回の公開買付けは、より大規模な計画の前半部分にすぎない。伊藤忠商事の取締役会は8月3日、2026年8月4日から2027年1月29日までの期間に、自己株式(自己株式を除く発行済株式総数の約2.7%に相当)を上限1億9000万株、上限3000億円で取得することを決議していた。公開買付けで予算のおよそ半分を使ったことから、同社は9月2日以降、東京証券取引所における市場買付けを開始し、上限約1500億円を残りの取得枠に充てることで、1月末の期限までに計画を消化する方針を示した。
| 段階 | 期間 | 金額 | 方式 |
|---|---|---|---|
| 公開買付け | Aug 4 - Sep 1, 2026 | 応募83,403,785株に対し、1株1,813円で82,735,750株を取得 | 按分比例方式(応募超過) |
| 市場買付け | From Sep 2, 2026 | 残り約1500億円を上限 | 東京証券取引所における市場買付け |
| 取得上限総枠 | Aug 4, 2026 - Jan 29, 2027 | 上限1億9000万株(自己株式を除く発行済株式総数の約2.7%)、上限3000億円 | 2026年8月3日取締役会決議 |
応募した株主にとって、対価は通常の株式売却とは異なる課税を受ける。日本の税法上、買付価格のうち伊藤忠商事の1株当たり資本金等の額を超える部分は、みなし配当として扱われる。このみなし配当額は、居住者である個人株主については20.315%(所得税、復興特別所得税、住民税の合計)が源泉徴収され、大口株主については20.42%に引き上げられる。日本国内に恒久的施設を有しない非居住者である個人株主については15.315%となる。居住者である個人株主については、対価の残りの部分は譲渡収入として扱われ、その譲渡による所得(譲渡収入から株主の取得費を差し引いた額)は、原則として源泉徴収ではなく申告分離課税の対象となる。日本国内に恒久的施設を有しない非居住者である個人株主については、この譲渡収入部分に対して原則として課税されない。日本における自社株買いの公開買付けには、通常の市場売却にはない税務上の留意点があることを示している。
公開買付けが完了したことで、株主にとって次の焦点は市場買付けそのものとなる。市場買付けは9月2日から東京証券取引所で実施され、取締役会の当初決議による3つの制約――3000億円の総枠のうち残る約1500億円の予算、計画全体を通じた上限1億9000万株という総枠、そして2027年1月29日という期限――のうち、いずれか先に達した時点で終了する。
