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関西電力、原子力・送配電向けトランジション債の引受人を決定 発行規模は非公表

大和証券、野村證券、みずほ証券が関西電力のトランジション債を引き受け、原子炉再稼働に向けた安全対策や水素混焼研究、送配電設備更新への充当が見込まれるが、発行規模は依然未公表

2026年9月9日2分で読める関西電力9503
送電変電所と遠景の原子力冷却塔、手前に水素パイプラインのバルブを配した、電力設備と原子力投資を表すイラスト。

関西電力は7月24日に提出した社債発行登録において、一部の空欄を埋めた。ただし投資家が最も注目する数字はまだ示されていない。9月9日に関東財務局に提出された発行登録の訂正書類では、同社の第586回無担保社債(愛称「関西電力トランジションボンド」)の引受人として、大和証券、野村證券、みずほ証券の名が挙げられている。債券は額面100円につき100円で発行され、単位は1億円。発行総額は未定であり、各引受人の引受額および条件は利率決定日に定められる。

この空白が重要なのは、今回の届出が総額8000億円の発行登録枠の一部であり、そのうち2028年7月までに発行可能な残枠が7680億円に上るためだ。この上限は関西電力が同枠から今後発行しうる社債全般を対象とするものであり、今回の社債の発行規模を示すものではない。同社はその金額を開示していない。

資金の使途。修正書類には3つの資金使途区分が明記されている。第一に原子力:福島第一原発事故後の新規制基準に対応する安全対策工事、原子炉の再稼働を支える工事、安全関連設備の点検・補修、その他の安全関連設備の追加的な高度化。第二にゼロカーボン火力:既存発電所における効率化改修に加え、水素混焼およびCCS/CCUSに関する研究開発・実証事業。第三に送配電:老朽化した送配電設備の更新、レジリエンス強化や分散化に向けた対策、送配電運用のデジタル化。調達資金は、これらの分野における新規投資または既存支出のリファイナンスに充当できる。

関西電力トランジション債の調達資金の使途対象
発行登録の訂正書類に開示された分類および活動例。具体的なプロジェクト選定および金額配分は開示されていない。
区分対象活動の例
原子力新規制基準に対応する安全対策工事、原子炉再稼働を支える工事、安全関連設備の点検・補修、その他の安全関連設備の高度化
ゼロカーボン火力既存発電所における効率化改修、水素混焼に関する研究・実証、CCS/CCUSに関する研究・実証
送配電老朽化した送配電設備の更新、レジリエンス強化・分散化に向けた対策、送配電運用のデジタル化

認証の枠組み。本社債は、2024年6月に最終改定された関西電力の「グリーン/トランジションファイナンス・フレームワーク」に基づき、トランジション性のある資金調達手段として位置付けられている。日本格付研究所(JCR)は、同フレームワークについて、ICMAのグリーンボンド原則およびサステナビリティ・リンク・ボンド原則、日本の環境省ガイドライン、金融庁・経済産業省・環境省による気候変動対応(トランジション・ファイナンス)に関する基本指針に照らしたセカンドパーティ・オピニオンを発行した。これとは別に、JCRは低炭素投資促進機構から、トランジション・ファイナンスのフレームワークに関する第三者評価を支援する2023年度経済産業省補助金事業の交付決定を受けており、関西電力自身のフレームワーク認証費用の一部には税金が充てられた形となる。

こうした認証は、社債が最終的に充当される個々のプロジェクトへの精査に代わるものではない。関西電力自身のフレームワークでは、最終的なプロジェクト選定は同社財務部門に委ねられており、調達資金の配分状況や、可能な場合には排出削減量など定量化されたインパクト指標が毎年開示される。今回の届出で確定したのは、誰が社債を販売し、その資金が何に充てられるかという点にとどまる。関西電力が実際にどれだけの資金を調達し、どのような利率で発行するのかは、依然として明らかになっていない。