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ステムリムの塩野義製薬提携脳卒中薬、主要評価項目未達も希少疾患試験は成果

塩野義製薬にライセンスされたステムリムのHMGB1ペプチド薬レダセムチドは、グローバル脳卒中試験の非再灌流コホートで主要評価項目未達となる一方、希少皮膚疾患・栄養障害型表皮水疱症を対象とした4例の小規模試験では潰瘍閉鎖3例で目標を達成、脳卒中プログラムの今後は塩野義製薬の判断に委ねられる

2026年9月9日2分で読めるステムリム4599
画面に表示された分岐する2本の臨床試験結果のラインと、その脇に置かれたペプチド薬の実験用バイアルおよび点滴ラインを描いた、薬剤治験の相反する結果を表すイラスト

ステムリム(東証:4599)は9月9日、社内でS-005151として知られ、塩野義製薬にライセンスアウトされている薬剤レダセムチドが、全く異なる2つの疾患で全く異なる2つの結果を示したと投資家に発表した。

急性虚血性脳卒中を対象としたグローバル後期第2相試験では、発症から25時間以内に患者への投与が行われた。血管内再灌流療法を受けなかったコホートにおいて、同試験の主要評価項目である90日時点の修正ランキンスケールスコアは、プラセボに対してレダセムチドで統計学的に有意な改善を示さなかった。同試験は主要評価項目を達成できなかった。

これが主要な結果であり、脳卒中プログラムにとって良い知らせとは言えない。ただし発表資料では、探索的なサブグループ解析の結果も報告されている。発症時により重症度の高い脳卒中患者では、レダセムチドによるmRSスコアの改善傾向が示唆され、以前の国内第2相試験と整合する全体的な改善傾向も観察された。いずれも探索的な結果であり確証的なものではなく、ステムリムはこの発表自体を完全な解析結果ではなく予備的な報告と位置付けている点を慎重に明記している。

レダセムチドの2試験結果
出所:ステムリムTDnet開示、2026年9月9日。
試験対象集団主要評価項目結果
急性虚血性脳卒中(グローバル後期第2相)発症25時間以内に投与、非再灌流コホート90日時点の修正ランキンスケールスコア(対プラセボ)統計学的に有意な改善なし、主要評価項目未達成
栄養障害型表皮水疱症(追加第2相)4例難治性潰瘍の閉鎖4例中3例で達成

2つ目の試験は異なる結果を示した。軽微な摩擦で水疱やびらんが生じる重篤な遺伝性皮膚疾患である栄養障害型表皮水疱症を対象とした追加の第2相試験では、4例の患者が治療を受け、そのうち3例で同試験の主要評価項目である難治性潰瘍の閉鎖が達成された。一部の患者では潰瘍化した皮膚面積全体の改善も見られた。栄養障害型表皮水疱症は表皮水疱症全体のおよそ半数を占め、日本国内の患者数は500人から1000人程度と推定されており、現時点で承認された根本的な治療法は存在しない。

安全性については、ステムリムはいずれの試験でも新たな安全性上の懸念は認められず、忍容性は良好であったと報告している。脳卒中試験ではレダセムチド群とプラセボ群の有害事象発現率も同程度であった。

脳卒中プログラムの今後をどうするかの判断は、ステムリムの手にはない。ライセンスを保有する塩野義製薬が試験結果の詳細な解析を行い、急性脳卒中適応における今後の開発方針を決定する。ステムリムは、一日も早く患者に薬剤を届けることを目指し、栄養障害型表皮水疱症における塩野義製薬の開発継続を支援していくとしている。ライセンスアウトされた資産である以上、この明暗の分かれた結果により、脳卒中プログラムの行方はステムリムではなく塩野義製薬の判断に委ねられることになる。