東京証券取引所プライム市場に上場するゲームテスト・品質保証を手がけるデジタルハーツホールディングスは、2026年9月7日に大量保有報告書の変更報告書を提出した。報告書に記載された変更理由は限定的で、一部株式の譲渡・担保提供を制限する契約の変更にとどまる。だが実態ははるかに大きい。同社の会長自らが同社の買収を試みているのだ。
同社の会長兼代表取締役は2026年8月6日、自らが全株式を保有する買付主体である株式会社Sandboxを通じて公開買付け(TOB)を実施することを決定した。Sandboxによる買付けは2026年8月7日から9月24日までの期間、1株1060円で実施され、対象株式数は1337万3171株。これは会長自身が保有し続ける892万5633株と、デジタルハーツが既に保有する自己株式を除く、事実上同社の全株式に相当する。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 買付者 | デジタルハーツ会長が全株式を保有する株式会社Sandbox |
| 買付価格 | 1株1060円 |
| 買付期間 | 2026年8月7日~2026年9月24日 |
| 買付予定数 | 1337万3171株(会長が保有継続する892万5633株および自己株式を除く) |
| インサイダー合計保有株数(2026年9月2日時点) | 1075万0533株、発行済株式総数2389万0800株の45.00% |
| 会長の応募表明 | 保有942万5633株のうち50万株を応募、892万5633株は保有継続 |
| A-1合同会社の応募表明 | 保有する132万4900株(5.55%)の全株 |
報告書は会長とその資産管理会社であるA-1合同会社の2者が共同で提出した。両者は2026年9月2日時点で発行済株式総数2389万0800株のうち1075万0533株、45.00%を既に保有しており、これは外部株主が応募するかどうかを決める前の時点での数字である。会長単独では942万5633株(39.45%)、A-1は132万4900株(5.55%)を保有する。
両インサイダーはいずれも、保有株式をどう扱うかを買付者に対して表明している。会長は自身の保有株式のうち50万株を応募し、残る892万5633株は買付けの対象外として保持する。A-1合同会社は保有する132万4900株の全株式を応募する。A-1はこの持ち分の一部を借入金で取得しており、報告書によれば自己資金1億6640万円に対し、みずほ銀行新宿新都心支店からの借入金12億3660万円を充てている。
報告書ではまた、会長の保有株式のうち1万6287株には、過去の譲渡制限付株式報酬に伴う譲渡制限が付されていることも開示されている。これらの株式は、同氏がデジタルハーツまたはその子会社の役職を退任するまで、売却・担保提供その他の処分ができない。
まだ分かっていないのは、対象となる約1340万株のうち、9月24日の期限までに実際にどれだけの株式が応募されるかである。報告書には応募実績は開示されておらず、買付期間はまだ継続中だ。デジタルハーツの外部株主は、同日までに1株1060円で売却に応じるか、それとも会社の半分近くを既に支配するインサイダーグループに対抗して保有を続けるかを判断しなければならない。
