NEDOと5つの連携先は、油中の液滴に入れた微生物を選別し、画像で候補を絞り込んでプレートに回収するシステムを開発したと発表した。土壌での試験では、数カ月から数年かかっていた探索を数日から数週間に短縮したという。
試験結果
長岡技術科学大学は、学内の土壌からタンパク質分解酵素のエンドペプチダーゼを生産する微生物を探索した。約100万個の液滴を6時間で解析・分取し、高い活性を示す細菌4種を得た。うち1株のLysobacter soliからは、ペプチド解析用に市販されている工業用酵素の2.4倍の活性を持つ新規酵素を単離した。発表資料によると、処理能力は従来のマイクロプレート法の1000倍に達する。
連携先は、液滴を使って環境中の微生物の最大50%程度を培養できることも明らかにしたとしている。これは産業技術総合研究所と広島大学の成果。糸状菌では、毎分8000液滴の速度で選別し、目的株の取得率は96%以上だった。
システムの機能
ニコンソリューションズは、AIで液滴を判定するイメージングユニットを開発した。蛍光だけでなく、微生物の形態や増殖状態を基に選別できる。オンチップ・バイオテクノロジーズは、イメージングユニットへの送液、プレートへの分注、プレートの交換・保管を自動で行う仕組みを開発した。産総研は、蛍光を使わない一次選別の感度を高めた。
長岡技科大は、実際の環境試料によるシステム全体の検証に着手したばかりで、作業は続いている。システムを「世界初」とする表現はNEDO自身の主張だ。
試作から製品化へ
2027年度から、長岡技科大を中心とするスクリーニング拠点でテスト運用を始める予定だ。オンチップ・バイオテクノロジーズは2027年度末までに統合システムの製品化を予定する。同社とニコンソリューションズは、画像選別に特化した簡易型の製品化も計画している。2026年3月に設立された長岡技科大発のスタートアップ、ECHIGO MICROBESは、探索・育種の受託サービスの事業化を進めている。NEDOの事業は2026年度末まで続く。
