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ライフコーポレーション、アルビス非公開化へ1株3780円でTOB 三菱商事は株主残留

ライフコーポレーションは5回の価格交渉の末、51%のプレミアムを付けて北陸のスーパーチェーン、アルビスを非公開化。三菱商事は売却せず16.6%株主として残留

多数派の持分ブロックと保有が継続される少数派の小さなブロックを示す棒グラフを重ねた、株主の一部残留を伴う企業買収を表すスーパーマーケット売り場の情景。

東証プライム上場のスーパーマーケット運営会社ライフコーポレーションは2026年9月9日、富山県を地盤とする食品スーパーチェーン、アルビスの発行済株式全てを対象に、1株3780円で株式公開買付け(TOB)を開始した。買付期間は2026年11月10日までで、同日提出された対象会社の意見表明報告書によると、アルビスの取締役会は株主に応募を推奨することを全会一致で決議した。

この価格は、公表前最終取引日である9月7日のアルビス株終値2501円に対して51.14%のプレミアムとなる。この水準に至るまでには5回の交渉が行われた。ライフコーポレーションが8月10日に提示した当初の買付価格は3330円(プレミアム34.93%)だったが、ライフコーポレーション自身のアドバイザーである大和証券によるディスカウント・キャッシュフロー(DCF)法での評価レンジが1株最大4291円に達していたことから、アルビスの独立特別委員会はこれを不十分として拒否した。その後4回の再提案を経て、両社は3780円で合意した。

3780円の価格はどう決まったか
各提案の前営業日におけるアルビス株の終値に対するプレミアムは、ライフコーポレーションの公開買付届出書に基づき算出した。
回次日付提示価格前日終値に対するプレミアム
第1回提案2026年8月10日¥3,33034.93%
第2回提案2026年8月17日¥3,53039.69%
第3回提案2026年8月25日¥3,68044.37%
第4回提案2026年9月1日¥3,76048.91%
最終価格2026年9月7日¥3,78051.14%

アルビス自身のアドバイザーであるSMBC日興証券は、同社のDCF法による評価を1株2311円から4148円、市場株価法による評価を約2517円から2527円としており、いずれも合意価格を下回る。ライフコーポレーションは、最終的なプレミアムが2019年以降に実施された同種の非公開化を目的とした国内TOB88件で記録された中央値のプレミアムに近い水準となったとしている。

今回の取引には異例の点がある。アルビスの筆頭株主で16.62%を保有する三菱商事は、TOBに応募せず、取引完了後も株主として残ることで合意した。取引完了後、ライフコーポレーションが83.38%、三菱商事が16.62%を保有する形となる見込みで、三菱商事は引き続きアルビスへの人材出向や食品流通のノウハウ提供を継続する。

ライフコーポレーションは買付予定株式数の上限を設けていないが、下限は417万1200株(買付対象株式の49.92%)と設定した。この下限は恣意的なものではなく、綿密に計算されたものだ。三菱商事の保有継続分とライフコーポレーションの既存の少数保有分を合わせると、会社法に基づく株式併合を通じて応じなかった株主を締め出すのに必要な議決権の3分の2に達する。2027年1月下旬頃に見込まれるこのスクイーズアウト手続きにより、アルビスの株主はライフコーポレーションと三菱商事のみとなり、同社株式は東京証券取引所から上場廃止となる見通しだ。

アルビスは株主に対し、今回の取引が成立した場合、2027年3月期の中間配当および期末配当を実施せず、株主優待制度も廃止すると通知している。ライフコーポレーションの届出書によれば、その事業上の論理は単純な小売業再編にある。売上高約8813億円のライフコーポレーションは首都圏と関西圏を中心に322店舗を展開する一方、アルビスは北陸・中部地方で事業を展開しており、現時点で両社の店舗網は重複していない。ライフコーポレーションは、アルビスが子会社化された後、プライベートブランド商品や共同調達、店舗運営システムを共有していく方針だ。

買付けは11月10日まで下限応募条件が付されており、その後の株式併合の具体的な比率はまだ決定していない。