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フジタコーポレーション、議決権40%のみで酪農場の経済的持分99%を取得

非農業者による議決権の過半数支配を禁じる農地法を遵守するため、フジタコーポレーションは約1億3900万円で買収する北海道の酪農場の議決権を40%しか取得しない一方、無議決権優先株式により経済的持分の99.4%を握る

2026年9月16日2分で読めるフジタコーポレーション3370
議決権株式と無議決権優先株式を分けて示す抽象的な帳簿図と酪農の牛舎を組み合わせたイラスト

北海道苫小牧市に拠点を置く食品・農業関連グループのフジタコーポレーション(東証:3370)は9月16日、東京証券取引所に対し、取締役会が北海道美深町の酪農場を買収し子会社化することを決議したと発表した。今回の核心は資本構成にある。日本の農地法は非農業者が農地を保有する会社の議決権を50%未満に制限しているため、フジタは買収先の議決権の40.0%しか保有できないが、無議決権のA種優先株式を通じて経済的持分の99.4%を確保する。

具体的な仕組みはこうだ。フジタは普通株式4株(議決権の40%)に加え、無議決権優先株式990株を保有し、発行済み株式総数1000株のうち994株を握る。残る普通株式6株は現場の経営陣が保有し、議決権の60%を確保することで、農業資格者が過半数を支配するという法律上の要件を満たす。経営陣には年間150日以上の現場勤務が義務付けられている。

取引後の議決権と経済的持分
フジタのTDnet開示に記載された取引後の株式数に基づく
保有者議決権経済的持分
フジタコーポレーション40.0%99.4%
現場の経営陣60.0%0.6%

議決権では少数株主にとどまるものの、フジタは同農場を子会社として連結する方針だ。取締役会の過半数を自社が派遣する取締役で占めることに加え、予算、多額の借入、資産処分、代表取締役の選任について拒否権を持つ株主間契約を根拠としている。

価格に関しては開示にわずかな食い違いがある。フジタのTDnet適時開示では株式取得対価を約1億1300万円、これにアドバイザリー費用約2600万円を加えた合計約1億3900万円としているが、EDINET提出書類には別に1億3200万円という数字が記載されており、同じ1億3900万円という合計額とは整合していない。合計額の1億3900万円とアドバイザリー費用の2600万円については両方の開示で一致している。

買収対象の農場は2026年3月期の売上高が約2億6300万円で、営業損失は1170万円と3期連続の営業赤字となった一方、経常利益は1710万円、当期純利益は1640万円とそれぞれ黒字を維持した。2026年3月31日時点の純資産は1億6990万円、総資産は2億3720万円だった。

フジタは今回の買収を、日本の酪農業における後継者不足への対応と位置付けている。買収対象の現代表取締役は退任後も取締役として残り、引き継ぎを支援する。株式を議決権・無議決権の種類株式に転換する手続きを含む本件取引は2026年9月30日に完了する予定で、フジタは2027年3月期の業績への影響は軽微にとどまるとみている。