本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

政策ウォッチ

JBICと邦銀3行、インドの電磁鋼板事業に2億8500万ドル融資

国際協力銀行は、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行との2億8500万ドルのシンジケートローンの一環として最大1億7100万ドルを融資し、インドの電力網向けに高級方向性電磁鋼板を製造するJFEスチールとJSWスチールのカルナタカ州合弁事業の設備資金に充てる

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月18日2分で読める
日本の金融機関が融資するインドの合弁事業を象徴する、工場内のコイル状電磁鋼板と変圧器コア

国際協力銀行(JBIC)は9月17日、JSW JFE Electrical Steel Private Limited(J2ES)との間で最大1億7100万ドルの融資契約を締結したと発表した。この融資はみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行とのシンジケートローンと並行して実行され、同プロジェクト向けの協調融資総額は2億8500万ドルとなる。J2ESはJFEスチールがインドのJSWスチール(JSW Steel Limited)と2024年に設立した合弁会社で、資金はカルナタカ州の工場設備に充てられる。同工場では高級方向性電磁鋼板を製造・販売する予定だ。

融資概要
金額はJBICの発表に基づく。共同融資行ごとの内訳は開示されていない。
融資機関役割金額
JBIC公的金融機関最大1億7100万ドル(JBIC分)
みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行シンジケート団参加行シンジケートローンの残額(内訳非開示)
協調融資総額$285mn

JBICは、インドの鉄鋼・電力需要の構造を踏まえて今回の融資を位置付けている。同国は中国に次ぐ世界第2位の鉄鋼消費国であり、電力需要の増加や再生可能エネルギーの普及拡大に加え、変圧器の高効率化を求める要請の高まりを背景に、低損失変圧器コアの材料である方向性電磁鋼板の需要が高まっている。こうした需要の伸びが、材料を輸入するのではなくインド国内で生産能力を構築する商業的な根拠となっている。

今回の融資は、JFEグループが2027年までの3カ年を対象に掲げる第8次中期経営計画とも軌を一にする。同計画は、海外の成長市場において有力パートナーとの「インサイダー型」事業を深化させることを掲げている。JFEスチールは、カルナタカ州の合弁事業を通じて、インドのパートナーであるJSWスチールとの現地生産により、拡大するインド国内の方向性電磁鋼板需要を取り込む狙いだ。

JBICは総裁の下、今回の融資が日本産業の国際競争力を支えるとともに、低損失変圧器コア材料の生産を後押しすることで地球環境保全にも寄与するとしている。発表資料では、カルナタカ州の工場の生産能力や稼働開始時期、シンジケートローンの残り1億1400万ドルがみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行の間でどのように配分されるかは明らかにされていない。