日本の内閣は同日先に開かれた閣議で総辞職し、退任する経済産業相は閣議後の最後の記者会見で、約1年間の在任期間に区切りをつけた。その内容は、後任が引き継ぐことになる3つの危機を軸に組み立てられていた。
まだ支払われていない関税の代償
同相によれば、米国は日本製品に対して5兆円を超える関税を準備していたが、両政府は最終的にその脅威を2兆円超引き下げる合意に達したという。ただし、この緩和は無条件ではない。合意の一部は日米戦略投資イニシアチブに基づいており、両政府はすでに「相互利益、経済安全保障、成長」に資するとする6件のプロジェクトを発表済みだ。同相はこのマイナス面について率直に語り、同イニシアチブを誠実に実行しなければ、米国による関税の再引き上げこそが予想される反応だと述べた。後任者は誰であれ、この責務を引き継ぐことになる。
| 論点 | 主要な数値 | 現状 |
|---|---|---|
| 対米関税合意 | 5兆円超の関税の脅威を2兆円超引き下げ、投資イニシアチブ(6件のプロジェクトを発表)が合意の前提の一つ | 継続的な実行は後任の経済産業相に委ねられる |
| 熊本地震 | 施設修繕・資金繰り・インフラ復旧向けの146億円規模の支援策 | 復興は継続中の取り組みとされ、時期の明示なし |
| 中東情勢と燃料価格対策 | 9月17日から補助金が1リットルあたり51円に達し、制度開始以来の最高水準 | 出口の条件と支援水準は検討中 |
熊本、未完の復興
第二の危機は熊本地震だった。経済産業省は、被災事業者向けに施設・設備の修繕、資金繰り、インフラ復旧を対象とする146億円規模の支援策をまとめた。同相は現地を視察し、中小製造業者の地震への備えが「明らかに不十分」であり、工場内では重い棚が固定されないまま置かれている状況を確認したという。生活と職場の再建について同相は「息の長い取り組みが必要になる」と述べ、この課題が自身の在任期間を超えて続くことを示唆した。
出口が定まらない燃料補助金
第三の危機である中東情勢は、より差し迫った代償を生んでいる。日本政府は9月1日の決定以降、中東関連の予備費を財源とする緊急燃料価格対策を実施してきた。この補助金は9月17日から1リットルあたり51円となり、制度開始以来最高水準に達した。これは、サウジアラビアの港での積み出しを停止させた攻撃の報道を受けて、サウジアラビアの東西パイプラインの復旧作業が続く中、ガソリン小売価格を1リットルあたり170円前後に抑えることを狙ったものだ。同相は、支援単価や制度の縮小・終了についてはなお検討中であり、出口はまだ決まっていないと強調し、与党議員からは中東情勢の展開に応じた柔軟な対応を求める声が上がっていると述べた。
積み残された課題
同相はまた、今年成立した産業競争力、産業技術、電気事業法に関する3本の改正法にも言及し、これらについて国会で約400件の質問に答えたと述べた。実質賃金については、次にどのような立場に就いても追求し続けるとする優先課題だとした上で、ガソリン補助金と消費税率を1ポイント動かす措置を、現政権が実質賃金の上昇を維持するために用意している手段として位置づけた。ただし、投資イニシアチブの継続的な実行や燃料補助金の最終的な縮小・終了を誰が決定するのかについては、新たな経済産業相の就任後も未確定のままだ。
