日本の特定技能1号制度は、2026年6月末時点で受入れ上限80万5700人に対し在留者数42万5961人、全国の充足率は52.9%だった。上限自体は2026年1月23日の閣議決定で見直され、2029年3月まで適用されるが、対象19分野それぞれの上限への近さは分野ごとに大きく異なる。
飲食サービスが際立っており、上限5万人に対し在留者数4万9060人、充足率98.1%と、政府が上限を見直すまで飲食店事業者が制度の下で新たに採用できる余地はほとんど残っていない。飲食料品製造業も僅差の75.5%(上限13万3500人に対し在留者数10万769人)で続く。建設業は68.6%(7万6000人に対し5万2132人)、割当枠が3番目に大きい介護は63%(12万6900人に対し7万9884人)となっている。
| 分野 | 上限 | 在留者数 | 充足率 |
|---|---|---|---|
| 飲食サービス | 50,000 | 49,060 | 98.1% |
| 飲食料品製造業 | 133,500 | 100,769 | 75.5% |
| 建設業 | 76,000 | 52,132 | 68.6% |
| 介護 | 126,900 | 79,884 | 63.0% |
| 農業 | 73,300 | 44,050 | 60.1% |
| 素形材・産業機械等製造業 | 199,500 | 62,033 | 31.1% |
| 宿泊業 | 14,800 | 2,556 | 17.3% |
| 自動車運送業 | 22,100 | 558 | 2.5% |
| 鉄道 | 2,900 | 64 | 2.2% |
| 林業 | 900 | 19 | 2.1% |
| 木材産業 | 4,500 | 74 | 1.6% |
| 合計(全分野) | 805,700 | 425,961 | 52.9% |
対極にあるのが自動車運送業で、上限2万2100人に対し在留者数はわずか558人、充足率2.5%にとどまる。鉄道は上限2900人に対し受入れ64人、充足率2.2%。林業と木材産業も同様に薄く、それぞれ2.1%と1.6%だった。自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野はいずれも、開示資料の注記で2024年3月に特定技能制度に追加されたことが示されており、在留者数の少なさは長年使われなかった余力というより、まだ立ち上がり段階にある枠組みであることを反映している。
リネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3分野は2026年1月に制度に追加されたばかりで、今回の開示では在留者数の記載自体がなく、数値の代わりにダッシュ表記となっている。
割当枠が単一分野で最大の素形材・産業機械等製造業は31.1%(上限19万9500人に対し6万2033人)で、制度上の採用余地が最も大きい分野が、その活用が最も進んでいない分野の一つでもあることになる。ビルクリーニングは31.6%(3万2200人に対し1万171人)、宿泊業は17.3%(1万4800人に対し2556人)で、宿泊業の雇用者には未使用の枠が多く残る一方、このデータからは埋める働き手が少ないことがうかがえる。
