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輸出が過去最高でも8月の貿易赤字は1兆1100億円に拡大

日本の8月の貿易統計(速報値)は輸出入とも同月として過去最高を記録したが、輸入の伸びが輸出を上回り、貿易赤字は1兆1100億円に拡大。対米輸入が55.2%増となったことで対米黒字は77.6%縮小した。

2026年9月16日2分で読める
日本の輸出入の急増を表す出荷用コンテナが並ぶ日本の港のイラスト。不均衡な棒グラフのように配置され、拡大する貿易格差を示唆している。

日本の8月の貿易統計は、過去最高水準に迫る輸出入がありながら、なお均衡しなかったことを示している。財務省の速報値によると、輸出は前年同月比19.3%増の10兆500億円と8月として過去最高を記録し、輸入は同28.0%増の11兆1500億円とこちらも8月として過去最高となった。その差から貿易赤字は1兆1100億円となり、前年同月比275.9%増、4カ月連続の赤字となった。

輸出は半導体等電子部品と自動車が押し上げた。輸入面では原油と半導体等部品が主導し、コンピュータや液化天然ガス(LNG)も寄与した。数量指数を見ると、今回の動きが単純な円安要因だけではないことが確認できる。輸出数量は前年同月比2.5%増、輸入数量は同2.7%増だった。8月の平均通関レートは1ドル=160.64円で、前年同月の147.73円から8.7%円安となったが、財務省の発表はこのレートと貿易赤字拡大との因果関係には言及していない。

季節調整値(暦要因を除いたベース)では、輸出は10兆8900億円、輸入は11兆7300億円となり、季節調整済みの赤字は8406億円と、7月から23.4%拡大した。これは、赤字が一時的な出荷時期のずれによる8月特有の現象ではないことを示唆している。

日本の8月の貿易収支(速報値)
2026年8月の速報値。表示のため円建て金額は四捨五入。出典:財務省/税関。
地域輸出(8月)輸入(8月)収支収支の前年同月比変化
世界¥10.05tn¥11.15tn-1兆1100億円+275.9%
米国¥1.72tn¥1.65tn+704億円-77.6%
中国¥1.81tn¥2.36tn-5516億円+29.4%
欧州連合¥866.3bn¥1.10tn-2305億円+76.7%
アジア¥5.75tn¥5.42tn+3301億円-38.3%

日本の対米黒字は77.6%減の704億円に縮小した。対米輸入は55.2%増と13カ月連続の増加となった一方、対米輸出も24.9%増加した。これにより、対米黒字は近年で最も薄い水準の一つとなった。

対中赤字は29.4%拡大して5516億円となり、赤字は65カ月連続となった。対EU赤字は76.7%拡大して2305億円となり、4カ月連続の赤字となった。地域別ではアジアのみが黒字を維持したが、同地域からの輸入が輸出を上回るペースで増加したため、黒字は38.3%縮小して3301億円となった。

上記の数値はいずれも財務省発表の速報値である。同発表は輸出入の変動要因を特定の品目に帰しており、為替、関税、商品価格を原因として挙げてはいない。したがって、財務省がさらなる説明を示さない限り、より広範な解釈は未確認のものとして扱うべきである。