金融庁が2026年9月30日に公表した高速取引行為の動向の更新版によると、注文件数に占める高速取引行為者の比率は、売買代金に占める比率を大きく上回る。高速取引行為者の登録は、2018年4月に改正金融商品取引法が施行されて以来、義務付けられている。
登録の状況。2026年6月末時点の登録高速取引行為者は52者。1~6月は新規登録が1者、廃業が2者だった。以下の取引統計の対象は、より広い範囲で、登録高速取引行為者に、高速取引行為を行う金融商品取引業者を加えたものだ。
現物株式。金融庁のデータは東証上場の4437銘柄が対象。売買代金に占める高速取引行為者の比率は、おおむね30%台後半で推移している。金融庁は戦略別の内訳を、マーケットメイクが約15%、アービトラージが約10%、ディレクショナルが約40%、その他が約35%としている。ディレクショナルの比率は、売買代金全体が増加するなか、2026年以降低下傾向にある。
注文件数と売買代金では、比率が大きく異なる。コロケーション(取引所の売買システムに隣接してサーバーを置くこと)経由の高速取引行為者は、注文件数の約85%を占める一方、売買代金では約45%を占める。コロケーション経由以外は、どちらの指標でも1%未満だ。注文の種類別では、高速取引行為者は新規注文の約80%、取消注文の約90%を占めるが、約定件数では約40%にとどまる。現物株式では、取消件数にIOC注文の失効分を含まない。
デリバティブ。大阪取引所のデータは先物・オプション55商品が対象。売買代金に占める高速取引行為者の比率は35~50%で推移している。新規注文と取消注文に占める比率は約99%、約定件数では約65%だ。このデータでは取消件数に失効したFAK・FOK注文を含むため、株式の数値とは比較できない。
商品別では、日経225ミニ先物で60~65%、日経225先物で40~60%で推移している。TOPIX先物は25~60%、長期国債先物は25~40%だ。金融庁の数値はグラフから読み取った範囲で、同庁の資料は価格や約定品質に関する分析結果を示していない。
