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エニグモ、連結損失拡大の中で東証の基準達成期限に迫られる

エニグモの流通株式時価総額は90.4億円と、東京証券取引所プライム市場が求める100億円の基準を下回ったままで、BUYMA運営会社は1月末までにこの差を埋める必要がある。連結上半期損失は拡大し、中核マーケットプレイスの取引高も減少が続いている。

2026年9月14日3分で読めるエニグモ3665
点線の基準線にわずかに届かない棒グラフと、たたまれた衣類や値札のイラスト。オンラインファッションマーケットプレイス運営会社が証券取引所の上場基準に届いていないことを表している。

ファッションマーケットプレイス「BUYMA」およびBUYMA Travelを運営するエニグモは、中間決算で2026年1月31日時点の流通株式時価総額が90.4億円となり、東京証券取引所プライム市場が求める100億円の基準を下回ったことを明らかにした。同社は株主数、流通株式数、流通株式比率の3基準は基準を上回って余裕を持ってクリアしており、時価総額基準のみが未達となっている。

エニグモと東京証券取引所プライム市場上場基準の比較
2026年1月31日時点、エニグモ自身の開示に基づく状況。時価総額基準のみが未達。
基準プライム市場基準エニグモの状況
株主数800人以上15,519
流通株式数2万単位以上20万6314単位
流通株式時価総額100億円以上¥9.04bn
流通株式比率35%以上48.3%

東京証券取引所はエニグモに対し、2027年1月31日までにこの基準を満たすよう猶予期間を設けている。同日までに適合が確認されなければ、2027年8月1日付での上場廃止リスクがあるとしているが、目標達成が困難な場合は他の市場区分への移行も選択肢として残るとしている。

この期限は、本業の業績が悪化する中で迫っている。2026年7月期上半期の売上高は前年同期比4.9%減の27.6億円、連結営業損失は1770万円から4億3700万円へと大幅に拡大した。親会社株主に帰属する純損失は1億4420万円と、前年から倍増以上となった。

エニグモ中間決算(2026年7月期上半期)
エニグモの連結中間決算短信に基づく数値。円建て金額は表示のため四捨五入。
指標2026年7月期上半期2025年7月期上半期
売上高¥2.76bn¥2.90bn
営業損益-4億3700万円-1770万円
経常損益-4億1700万円-4600万円
純損益(親会社株主帰属)-1億4420万円-4970万円

中核事業のファッションプラットフォーム「BUYMA」はセグメント利益では黒字を維持しているものの、明らかに圧迫を受けている。円安と欧州ブランドの価格上昇を背景に高級品需要が軟化し、流通取引総額は前年同期比13.6%減の198.7億円となった一方、会員数は4%増の1220万人に達した。セグメント利益は62.5%減の1億8880万円。経営陣は中価格帯のアジアブランドの強化、リセール事業「BUYMA Vintage」、パーソナルショッパー向けAIツールで対応を図っているが、これらの効果はまだ数字に表れていない。

BUYMA Travelは成長を続けているが、依然として赤字である。売上高は41.4%増の5億1680万円となった一方、セグメント損失は1億7350万円から2億3870万円へと拡大した。同社は5月1日にハワイのリムジン事業者Krystal Enterprise Limousine, Inc.を買収し、連結上のみなし取得日は6月30日としたが、中間決算に取り込まれたのは買収先の貸借対照表のみで、損益は含まれていない。

グループ全体の損失拡大にもかかわらず、エニグモは通期予想を据え置き、売上高72.7億円、純利益は前年比51.1%増の4億9300万円を見込む。また、業績や上場状況にかかわらず、当期・前期ともに1株当たり30円の期末配当を確定させており、内訳は通常配当10円と特別な「記念配当」20円となっている。7月31日終値の403円で計算すると、利回りは約7.4%となる。

純資産は有価証券評価損と11.9億円の配当支払いの影響で、半期で117.7億円から97.8億円へ減少し、手元現金は61.9億円まで落ち込んだ。エニグモはこの2年間を構造改革期間と位置付け、2028年1月期には営業利益20億円、調整後1株当たり利益40円を目標に掲げている。この目標達成時期は、取引所が流通株式時価総額基準の充足を求める2027年1月の期限から1年後にあたる。