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エーザイの週1回自己注射用レケンビ、日本で承認 在宅使用は保険審査待ち

エーザイが新たに承認を取得した皮下注レケンビペンは、2週に1回の通院による静脈内投与に代わり、患者が週1回自宅で自己注射できるようにするものだが、事前に中央社会保険医療協議会の審査と注射薬リストへの収載が必要であり、エーザイは今回の承認が来期業績予想に与える影響は小幅としている

2026年9月16日3分で読めるエーザイ4523
自己注射用ペン、家庭用薬箱、週間カレンダーを描いたイラストで、自宅での自己投与によるアルツハイマー病治療を表している

エーザイは9月16日、アルツハイマー病治療薬レケンビについて、患者本人または介護者が週1回自宅で注射できる皮下注射版が日本で承認されたと発表した。自己注射用ペン「レケンビ皮下注250mgペン」は、250mgのペン2本を用いて週1回合計500mgを投与する製剤で、1回の注射に約15秒かかる。これにより、医療機関で2週に1回投与される既存の静脈内投与に加えて、自宅での選択肢が追加される。

エーザイは、これが日本で在宅投与が承認された初めてかつ唯一の抗アミロイド療法であり、皮下注製剤の承認国としては2026年7月の米国、2026年9月の中国に続き3カ国目になるとしている。

レケンビ:静脈内投与と新皮下注ペンの比較
自宅での自己投与には、使用前にさらなる保険適用審査と収載が必要となる。
項目静脈内投与(既存)皮下注ペン(新規承認)
頻度2週に1回週1回
実施場所医療機関自宅(注射薬リスト収載待ち)
投与者医療スタッフ訓練後に自己投与、1本あたり約15秒
日本での状況2023年の承認以降使用中2026年9月16日承認、在宅使用は中央社会保険医療協議会の審査待ち

在宅投与は自動的に認められるわけではない。患者が自己注射できるようになるには、まず中央社会保険医療協議会(中医協)による審査・了承が必要で、この手続きは承認から概ね60日以内に行われる見通しだ。その後、同薬は医師が処方可能な保険適用の注射薬リストに収載される必要がある。リスト収載後も、エーザイによれば治療は医療機関で医師の直接の管理下で開始しなければならず、患者や介護者は十分な訓練を受け、リスクを理解し薬剤を確実に投与できることを示した上で、医師の継続的な指導のもとで自己投与を行うことになる。

今回の承認は、同薬の第3相Clarity AD試験とその長期継続試験のデータに基づく。皮下投与に関する副次的検討では、週1回500mgの皮下投与による薬物暴露が2週に1回の静脈内投与と十分近い水準にあり、同程度の有効性が期待できることが示された。安全性は両投与経路でおおむね同様であり、注射に関連する全身反応は皮下投与のほうが少なく1.4%だったが、この数値は承認された500mgペン製剤そのものではなく、新規治療患者を対象とした週1回720mgの皮下投与用バイアル製剤に関する関連試験によるものだ。ARIA(アミロイド関連画像異常)のモニタリングについては、静脈内投与時と同じ時点でのMRI検査が依然として必要となる。

エーザイは、今回の承認による2027年3月期業績予想への影響は小幅にとどまるとし、2026年5月15日に公表した業績予想を変更しないとしている。レケンビの一般名であるレカネマブは、現在53の国・地域で承認されており、さらに6カ国・地域で審査中だ。2週に1回の維持投与としての静脈内投与は9カ国で承認され、11カ国で申請中となっている。エーザイは同薬のグローバルな開発と規制当局への申請を主導し最終的な意思決定権を持つ一方、バイオジェンは両社の長年にわたるアルツハイマー病提携のもとで共同販売・共同プロモーションを担う。

これまで2週に1回、点滴のために通院していた患者にとって、このペン製剤は通院回数の減少と看護・点滴体制への負担軽減につながる可能性がある。その効果が実際に日本の家庭に届くかどうかは、中央社会保険医療協議会の審査の速さと、今後数週間における注射薬リスト収載手続きの進み方次第だ。