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政策ウォッチ

東京、太陽光発電事業者の環境審査重複回避へ迂回策を策定

環境省、太陽光発電を国の環境影響評価法の対象に加えた改正施行令を受け、根拠となる地方条例が環境省の定める5条件を満たせば都道府県・市区町村の審査書類を国の手続きに引き継げる告示案を意見公募――多くの事業者が全面的なやり直しを回避可能に

2026年9月15日2分で読める
検問ゲートのような構造物を伴う太陽光パネル群のイラストで、地方と国の環境審査の間の規制上の移行を象徴している。

環境省は、一部の太陽光発電事業者が都道府県や市区町村の条例に基づき既に実施済みの環境影響評価を、改めてやり直さずに済むようにする案について、1カ月間のパブリックコメントを開始した。

きっかけ

今回の案は、環境影響評価法施行令を改正し太陽光発電事業を初めて同法の対象に加えた2026年政令第230号を受けたものだ。当該政令が施行されれば、対象事業は国の法律が定める多段階の手続き――配慮書、公告される方法書、準備書、評価書――もクリアしなければならなくなる。

環境影響評価法第54条は、まさにこうした引き継ぎのために設けられた規定だ。同条は、環境大臣が関係地方公共団体と協議した上で、条例や行政指導に基づき作成された書類を、本来は国の法律がゼロから求める書類と同等のものとして指定することを認めている。今回の告示案は、法律が定める11種類の同等書類区分のうち9種類について、北海道や東京から熊本、鹿児島まで数十の都道府県・市区町村の条例を、それぞれの条文にひも付ける形で指定している。

国の法定書類とみなされる地方文書案
環境影響評価法第54条第2項に基づく告示案。同法が定める11種類の区分のうち2種類は今回の案の対象外となる。パブリックコメント終了後に変更される可能性がある。
段階地方の書類国の法律上の相当書類
1早期スクリーニング/配慮書第3条の3第1項の配慮書
3公告・住民説明を伴う方法書第7条・第7条の2の方法書
4方法書に対する意見の概要第9条の意見概要
5方法書に対する地方公共団体の意見第10条の意見書
6公告・説明を伴う準備書第16条・第17条の準備書
7準備書に対する意見の概要第19条の意見概要
8準備書に対する地方公共団体の意見第20条の意見書
9地方公共団体の意見を反映した評価書第21条第2項の評価書
11最終公告後の評価書第27条の評価書

落とし穴

すべての地方条例が自動的に対象となるわけではない。環境省が示した基準では、条例が当該書類の作成を実際に義務付けていること、景観など単一の要素ではなく環境を広く評価する内容であること、住民への周知・意見募集の手続きが適切に定められていること、影響が隣接自治体に及ぶ場合の調整の仕組みがあることが求められる。条例に基づかず事業者が任意で行う環境調査は、この簡略化の対象とはならない。「土地開発」全般を対象とする地方条例であっても、太陽光発電所の建設や変更を明示的に対象としていれば対象となる。

残された時間

告示案に対する意見公募は、e-Gov案件番号195260057の下で2026年10月14日まで受け付けている。告示は現時点ではあくまで案の段階であり、文中に名前が挙がっている都道府県・市区町村からの意見聴取を経て環境大臣が発出して初めて効力を持つほか、適用対象は告示が列挙する特定の審査書類に限られる。対象となる地方条例の下で既に審査が進行中の事業者にとっては、国の法律が自らの事業に適用されるようになった段階で、公聴会や意見募集を再度やり直さずに済む点が実際上のメリットとなる。