電通グループは、自社が保有する電通総研の過半数株式について、同社に対する買収提案(TOB)に応募しない方針で合意した。この約定は、同技術コンサルティング会社に残る一般株主を将来的にスクイーズアウトする布石となる。
この確約は、電通グループが9月4日に関東財務局に提出した変更報告書で明らかになった。これは電通総研(TSE: 4812)に関する大量保有報告書の10回目の変更報告となる。電通グループは電通総研株を1億2077万9736株保有しており、前回の報告から変更はなく、発行済株式総数1億9554万7440株の61.76%に相当する。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 電通グループの保有株式 | 1億2077万9736株(発行済株式総数1億9554万7440株の61.76%) |
| TOB実施主体 | VIC LLC(親会社:伊藤忠商事) |
| 不応募契約締結日 | 2026年8月31日 |
| TOB開始目標時期 | 2026年11月上旬(前提条件の充足を条件) |
| スクイーズアウトの手法 | 会社法180条に基づく株式併合および単元株制度の廃止 |
| 最終的な株主 | 電通グループとVIC LLCのみ |
2026年8月31日付の不応募契約に基づき、電通グループは、TOBを実施する主体であるVIC LLCに対し、株式併合が発効するまでの間、自社株式を応募しないこと、売却や担保提供を行わないこと、他の買収者への売却打診を行わないことを約束した。VIC LLCの親会社は伊藤忠商事である。TOB自体は2026年11月上旬の開始を目標としており、不応募契約に定める前提条件がVIC LLCによって充足または放棄されることを条件とする。
TOBが成立した場合、電通グループとVIC LLCは迅速に手続きを進める方針である。報告書によれば、両社はTOBの決済完了後速やかに電通総研に臨時株主総会の招集を要請し、会社法180条に基づく株式併合および単元株制度の廃止について承認を求める意向だという。両社とも自社の保有株式について賛成の投票を行う予定である。この株式併合は、電通グループとVIC LLC以外の株主を締め出す仕組みであり、結果として両社のみが電通総研の株主として残ることになる。
電通グループはまた、VIC LLCおよび伊藤忠商事との間で別途株主間契約を締結しており、これはTOBの決済完了時に効力を生じる。同契約は電通総研株式の譲渡制限、優先交渉権、当事者間のコールオプションおよびプットオプションを対象とする。これらの条項は、TOBが先に成立しない限り効力を生じない。
報告書はさらに、電通グループが日本証券金融株式会社との間で2021年3月に締結した、別個の貸株契約についても言及している。この契約は貸株口座で保有する電通総研株式最大300万株を対象とする。同契約は本件買収より前に成立したものであり、現在も継続している。
現時点では、いずれも確定していない。TOBはまだ開始されておらず、その前提条件が充足されたことも確認されていない。スクイーズアウトに関する株主投票は、TOBの決済が成立した後でなければ実施できない。電通グループ自身の開示資料も、11月という時期はあくまで目標であり、確定した日付ではないとしている。
