電通グループは、数週間以内に予定される公開買付けに、電通総研の過半数株式を応募しない方針を規制当局に届け出た。同社は、後続のスクイーズアウト手続きにより同ITコンサルティング会社の東証上場を廃止するまで、株式を契約により拘束している。
この開示は、9月25日に関東財務局へ提出された大量保有変更報告書であり、電通グループの保有株式そのものではなく、それに付随する条件を更新するものだ。創業株主である同社は、電通総研の発行済株式総数1億9554万7440株のうち61.76%にあたる1億2077万9736株を引き続き保有しており、この比率は前回の報告書に記載された数値と同じである。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 保有株式数 | 120,779,736 |
| 発行済株式に対する保有比率 | 61.76% |
| 発行済株式総数 | 195,547,440 |
| 取得資金 | 163億6000万円(全額自己資金、借入金なし) |
変更されたのは契約上の取り決めだ。電通グループは8月31日、11月上旬をめどに電通総研の普通株式を対象とする公開買付けを開始する予定の合同会社VICとの間で、不応募契約を締結した。この公開買付けは、当該契約に定める前提条件が充足されるか、放棄されることを条件とする。同契約に基づき、電通グループは、予定される株式併合の効力が発生するまでの間、株式を公開買付けに応募しないこと、譲渡・担保設定その他の処分を行わないこと、および競合する取引を勧誘または追求しないことを約束した。
この株式併合が、電通総研を非公開化するための手続きとなる。公開買付けが成立した場合、電通グループとVICは電通総研に対し、会社法第180条に基づく株式併合と単元株制度の廃止を承認する臨時株主総会の招集を要請する方針で、これにより電通グループとVICのみが株主として残ることになる。電通グループは、両議案に賛成する議決権行使をすでに約束している。
同報告書では、公開買付者であるVICの親会社として伊藤忠商事の名が挙げられている。電通グループはまた、8月31日にVICおよび伊藤忠商事との間で、公開買付けの決済完了を条件とする別途の株主間契約を締結しており、電通総研株式に関する譲渡制限、優先交渉権、コールオプションおよびプットオプションについて定めている。
同報告書には、本件と直接関係のない事務的な事項も含まれている。電通グループが日本証券金融株式会社との間で2021年3月から締結していた、電通総研株式300万株を上限とする株式貸借契約は、9月18日付で合意解除された。この日は電通グループの報告義務が発生した日と同じである。同報告書はまた、電通グループの株式取得資金について、借入金なしの全額自己資金163億6000万円と記載している。取得の内訳には、3回の株式分割を通じて取得した株式が別途記載されており、うち2026年1月1日付の分割で取得した8051万9824株が含まれる。
変更報告書には公開買付価格や「11月上旬」以上の詳細な日程は記載されていない。これらの条件は、VICが正式に公開買付けを開始した段階で明らかになるとみられる。
