東京に本社を置く賃貸アパート建設会社の大東建託は、財務制限条項付きの3件の借入契約を通じて総額1050億円を調達することを決議した。これらの制限条項はいずれも、同社の今後の財務的な自由度を貸借対照表の状況に連動させるものだ。取締役会は2026年9月18日にこの一連の借入を承認し、契約締結は9月25日、資金の実行は9月30日を予定している。
最大の借入は、みずほ銀行がアレンジするシンジケートローンで、総額500億円を2036年9月満期と2034年3月満期の2本、それぞれ250億円のトランシェに分割する。2件目のシンジケートローンは三井住友銀行がアレンジし、2031年9月満期で350億円を追加する。三菱UFJ銀行は同じ月に満期を迎える200億円のバイラテラルローンを供与する。3件はいずれもTIBORに非開示のスプレッドを上乗せした金利を適用し、満期一括返済方式を採る。
| 借入 | 金額 | アレンジャー/貸し手 | 満期 | 主な制限条項 |
|---|---|---|---|---|
| SMBCシンジケートローン | ¥35bn | 三井住友銀行 | 2031年9月 | 純資産を2026年3月期末水準の50%以上に維持(四半期ごとに確認) |
| みずほシンジケートローン(トランシェA) | ¥25bn | みずほ銀行 | 2036年9月 | 純資産を2026年3月期末水準の50%以上に維持(2027年3月期以降、年次で確認)、経常利益の赤字禁止 |
| みずほシンジケートローン(トランシェB) | ¥25bn | みずほ銀行 | 2034年3月 | トランシェAと同様 |
| MUFGバイラテラルローン | ¥20bn | 三菱UFJ銀行(バイラテラル方式、アレンジャーは非開示) | 2031年9月 | 純資産を2026年3月期末水準の50%以上に維持(四半期ごとに確認)、2027年3月期以降は経常利益を0円以上に維持 |
バランスシートの耐性を注視する向きにとって注目すべきは制限条項の内容だ。いずれの借入契約も、大東建託に対し、連結純資産を2026年3月期末時点の水準の50%以上に維持することを求めており、SMBCとMUFGの借入では四半期ごとに、みずほの借入では2027年3月期以降、年次でこれを確認する。みずほとMUFGの借入にはさらに収益性に関する条項が加わる。みずほの各トランシェでは連結経常利益が赤字に転じないこと、MUFGの借入では2027年3月期以降、連結経常利益をゼロ以上に維持することを求めている。同社が両基準に対して現在どの程度の余裕を持っているかについて、開示資料には記載がない。
大東建託は、今回の借入についてグループの成長投資向け資金を確保するとともに、財務基盤の強化に伴いより安定的で長期的な調達基盤を構築する狙いがあると説明している。経営陣は2027年3月期の業績への影響は軽微にとどまると見込んでおり、この見通しに変更が生じた場合は速やかに開示するとしている。
貸し手はシンジケートローンをアレンジする2つのメガバンクにとどまらない。SMBCの借入にはSBI新生銀行、りそな銀行、静岡銀行、四国銀行が参加し、みずほの各トランシェには群馬銀行、横浜銀行、北九州銀行を含む十数行の地方銀行が名を連ねる。
