経済産業省は、セントラル硝子が申請した無水フッ化水素酸の供給確保計画を認定したと、同社が2026年9月16日に発表した。この認定は経済安全保障推進法の特定重要物資(フッ素)支援措置に基づくもので、計画に盛り込まれた設備投資に対し、セントラル硝子は最大約176億円の補助を受けられるようになる。
同社は山口県宇部市の宇部工場に無水フッ化水素酸の新製造設備を建設する計画だ。セントラル硝子は、支援措置の活用に向けて投資の詳細検討に入ると説明した。建設スケジュールや総投資額、生産能力については公表されていない。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 生産拠点(予定) | セントラル硝子 宇部工場(山口県宇部市) |
| 投資内容 | 無水フッ化水素酸の新製造設備 |
| 補助上限額 | 約176億円 |
| 認定日 | 2026年9月16日 |
特定重要物資であるフッ素から精製される無水フッ化水素酸は、半導体、エネルギー、通信機器、輸送、医療機器、建設インフラなど幅広い産業を支えている。セントラル硝子と経済産業省は、この補助金を成長機会としてではなく、供給網の脆弱性への対応として位置付けている。日本は無水フッ化水素酸とその原料である蛍石(CaF2)の供給を中国からの輸入に大きく依存しており、地政学的緊張や輸出規制が生じれば、国内の半導体・電子機器メーカーが供給途絶にさらされる恐れがある。
経済安全保障推進法は、国の強靱性にとって重要と判断される物資の供給確保を目的とする日本の法律で、こうした設備投資への支援を裏付けるものだ。セントラル硝子のフッ素関連計画は、同法の特定重要物資支援措置に基づき認定された案件の一つとなる。
セントラル硝子は今回の発表について慎重に位置付けを示した。2027年3月期の連結業績に与える影響は軽微だとし、176億円はあくまで補助対象となり得る上限額であって、既に支払われた金額ではないと強調した。宇部工場拡張の範囲や日程、最終的な費用は今後詰めるとしている。セントラル硝子は投資内容の詳細検討を進め、開示が必要な事項が生じた場合には速やかに公表するとしている。
