東証上場の解体・プラントメンテナンス事業者であるベステラは、非上場株式の評価損により最終利益が半減した一方で、上期の営業利益は過去最高を記録した。2026年7月31日までの6カ月間で、売上高は15.6%増の59.0億円、営業利益は2倍以上となる5.74億円となった。大型解体工事が計画より前倒しで進み、経営陣が採算性の高い受注に絞り込んだことが要因だ。経常利益は183.2%増の6.09億円だった。一方、親会社株主に帰属する純利益は55.1%減の9900万円にとどまった。取得原価を大きく下回る回収可能価額となった非上場株式について約5億円の評価損を計上したことが響き、政策保有株式の一部売却による3.14億円の売却益では一部しか相殺できなかった。
| 指標 | 2026年7月までの6カ月間 | 2025年7月までの6カ月間 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥5.90bn | ¥5.10bn | +15.6% |
| 営業利益 | ¥574mn | ¥226mn | +154.1% |
| 経常利益 | ¥609mn | ¥215mn | +183.2% |
| 純利益(親会社株主) | ¥99mn | ¥220mn | -55.1% |
この証券関連の損失により、ベステラは通期の純利益予想を7.00億円から5.30億円へ24.3%下方修正した。一方で、通期の売上高、営業利益、経常利益の目標については130億円、10.0億円、10.2億円のまま変更していない。年間配当予想は1株当たり40円で変わらず、2026年10月13日払いの中間配当15円と、期末配当25円(予定)で構成される。
損益面だけでなく、バランスシートも同様に大きく変化した。ベステラは、増加する大型工事の資金需要に対応するため上期中に60.0億円の長期借入を新たに実施し、総資産は期初の83.3億円から137億円に増加した。この結果、自己資本比率は64.8%から38.3%に低下した。現金及び預金は14.3億円から76.5億円に増加し、受注残高は石油化学関連の大型受注が相次いだことで37.3%増の88.5億円となった。上期の受注高は48.1%増の62.0億円だった。
今回の決算には、これらの数値にまだ反映されていない死亡事故に関する続報も含まれている。ベステラの決算説明資料によれば、2026年4月7日、川崎市内の製鉄所で同社が実施していた解体作業中に、解体中のアンローダークレーンの一部が落下し、4人が死亡、2人が負傷した。行方不明だった作業員の遺体は2026年7月23日に確認された。取締役会は2026年6月9日、社外取締役を委員長とする再発防止委員会を設置し、委員3人のうち2人を社外から起用した。関係当局による調査は継続中で、ベステラは全面的に協力しているとしており、原因についての同社としての見解を現時点で示すことは難しいとしている。ベステラは今上期の販売費及び一般管理費に事故関連費用として約1500万円を計上したが、事故が業績全体に与える影響については合理的に見積もることがまだできないため、通期予想には反映していないとしている。同社は、事故が業績に重大な影響を及ぼすと判明した場合には、適時開示規則に基づき速やかに開示するとしている。
