アストロスケールホールディングスは9月1日、日本子会社(開示資料ではASJPと表記)が次期デブリ除去ミッション「ADRAS-J2」に向け、欧州のロケット企業アイザー・エアロスペース(Isar Aerospace SE)と打ち上げサービス契約を締結したと発表した。取締役会は8月28日に契約を承認していたが、同社は日本の宇宙機関JAXAから公表許可が下りるまで発表を控えており、その許可は開示資料の提出と同日に得られた。
ADRAS-J2はJAXAの商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズIIに位置付けられる。同ミッションは、全長約11メートル、直径4メートル、重量3トンの日本のロケット上段(2024年にアストロスケールのADRAS-J機が観測した対象と同一)に接近し、捕獲した上で軌道離脱させる計画だ。先行するADRAS-Jミッションでは、デブリまで15メートル以内に接近し、50メートルの観測軌道を安定的に維持するランデブー技術が実証された。ADRAS-J2はより難度の高い後続ミッションであり、実際にデブリを捕まえて軌道から引き離す。
| ミッション | 時期 | 目的 |
|---|---|---|
| ADRAS-J | 2024 | Approached to 15 metres and held a 50-metre observation orbit around the debris |
| ADRAS-J2 | Year ending April 2028 (planned) | Approach, capture and deorbit the same roughly 11-metre, three-tonne rocket upper stage |
アストロスケールによると、ADRAS-J2契約の総額は税抜120億円で、打ち上げ契約締結前から変わっていない。この金額は既に同社グループの通期業績予想の前提に織り込まれていたため、アイザー・エアロスペースとの契約自体は今期の業績見通しに影響を与えない。今回の契約は既に織り込み済みの業務範囲を確認するものであり、新たな収益をもたらすものではない。
契約相手のアイザー・エアロスペースは2018年設立、ミュンヘン近郊に拠点を置く打ち上げ企業で、ロケットの設計・製造・試験の大部分を自社で手掛けている。現在は5カ国で事業を展開し、従業員数は400人を超える。アストロスケールによれば、アイザー・エアロスペースはADRAS-J2の打ち上げに先立ち複数の打ち上げを予定しており、これにより2028年4月期(日本の2027年度)に計画されているミッションの打ち上げ時期までに飛行実績を積み上げられるとしている。同年度内の具体的な打ち上げ日や使用するロケット、射場については明らかにされていない。
