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アルバック、過去最高受注も増益至らず

真空装置メーカーのアルバック(6728)は2026年6月期の受注高が過去最高の3242億円となったが、供給網と生産能力の制約が受注の売上化を遅らせ、経常利益は30%減の199億円となった。取締役会は、株主承認を条件に配当を164円から152円に引き下げることを提案した一方、連結純利益は小幅増の171億円となった。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月25日2分で読めるアルバック6728
真空成膜装置と工場内に積み重なった部品を描いた編集用イラストで、装置メーカーの受注残と生産制約を象徴している。

半導体メーカーやディスプレイメーカー向けの真空成膜・エッチング装置を手掛ける神奈川県拠点のアルバックは、2026年6月期の新規受注高が前年比43.7%増の3242億円と過去最高を記録した。その受注残を利益につなげるのは容易ではなく、連結売上高は7.1%増の2691億円となった一方、経常利益は286億円から30.4%減少し199億円となった。

アルバックの2026年6月期と前期の比較
2026年9月25日に関東財務局に提出されたアルバックの有価証券報告書に基づく数値。
項目2025年6月期2026年6月期
連結売上高¥251.2bn¥269.1bn
連結経常利益¥28.6bn¥19.9bn
親会社株主に帰属する当期純利益¥16.7bn¥17.1bn
単体売上高¥98.9bn¥87.2bn
単体経常利益¥16.1bn¥6.2bn
1株当たり配当金¥164¥152

アルバックはこのギャップの要因を需要の弱さではなく、業務上の負荷によるものとしている。同社は「部材供給リスク」と生産能力の制約を挙げており、これらが過去最高の受注を売上・利益へ十分な速さで転換できなかった原因になったとしている。また、電気自動車(EV)関連事業に伴う一時費用を吸収したほか、ディスプレイ関連売上の増加による製品構成の変化も重なり、営業利益率は3.3ポイント低下して7.3%となった。

親会社株主に帰属する当期純利益は2.4%増の171億円となった。一方、単体ベースではより厳しく、売上高は989億円から872億円に減少し、経常利益も161億円から62億円に落ち込んだ。

取締役会は、2026年9月29日開催予定の定時株主総会での承認を条件に、年間配当を1株152円(前期は164円)とすることを提案した。親会社の1株当たり利益が配当の減少幅を上回って落ち込んだため、これに基づく配当性向は57.5%から77.8%に上昇した。同期間の連結従業員数は6132人から5613人に減少した。

この有価証券報告書はアルバック自身の業績のみを対象としており、供給や生産能力の制約が他の半導体製造装置メーカーにどの程度広く影響しているかは示していない。